2004 Fiscal Year Annual Research Report
住血吸虫虫卵性肉芽腫中に存在する血液凝固活性化分子の特定とその誘導機構の解析
Project/Area Number |
15590374
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田邊 將信 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (80051928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 博司 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (00146599)
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Keywords | マンソン住血吸虫 / 凝固活性化リポ蛋白 / 誘導機構 / シグナル伝達機構 / 虫卵性肉芽腫 / 組織因子 / 凝固第X因子 |
Research Abstract |
我々は、マンソン住血吸虫感染マウスの肝臓内虫卵性肉芽腫から精製される凝固活性化リポ蛋白(CILIP)構成アポ蛋白のうち凝固活性化に働く分子の特定、各種刺激を受けたマクロファージ(Mφ)および樹状細胞(DC)によるCILIP産生・誘導に関わる機構の解明を目的として解析を行い、以下の成績を得た。 1.CILIPの凝固活性化分子を特定するため、マウス組織因子に特異的なアミノ酸配列を合成し、このペプチドに対するラット・モノクロナル抗体(MoAb)を作製した。この抗体はIgMクラスで、マウス組織因子機能を中和する活性はなかったが、特異的に組織因子を認識することが明らかとなった。この抗体を用いた解析で、CILIPがその構成アポ蛋白中に組織因子を含むことが明らかとなった。 2.マウス腹腔Mφ、骨髄細胞から誘導したMφおよびDCは感作リンパ球、IFNγ、あるいはGM-CSF刺激によりCILIPを産生・誘導するが、Toll Like ReceptorのリガンドであるLPS、LTA、Peptidoglycan、CpGON、Poly ICによる刺激によっても強くCILIPを誘導することが明らかとなった。In vitroにおけるCILIP誘導のカイネティックスを活性測定および抗CILIP MoAbを用いたサンドイッチELISA法で測定したところ、刺激後8時間でピークとなり、その後低下することが明らかとなった。 3.マンソン住血吸虫成虫抗原(SWAP)感作リンパ球で刺激したマウス腹腔MφによるCILIP誘導に関わるシグナル伝達経路を凝固第X因子活性化活性を指標として解析を行い、CILIP誘導にはPTKおよびPKCの活性化が必修であり、cyclicAMPの細胞内濃度増加をもたらす試薬はこのCILIP誘導を抑制することが明らかとなった。
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