2005 Fiscal Year Annual Research Report
ラット糞線虫の生存戦略としての排虫と大腸寄生について
Project/Area Number |
15590376
|
Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
木村 英作 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70153187)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 昌孝 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70046077)
伊藤 誠 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (90137117)
角坂 照貴 愛知医科大学, 医学部, 講師 (90109760)
近藤 繁生 愛知医科大学, 医学部, 講師 (20097786)
高木 秀和 愛知医科大学, 医学部, 助手 (90288522)
|
Keywords | ラット糞線虫 / 宿主・寄生虫関係 / 排虫 / 抗酸化剤 / SOD |
Research Abstract |
平成17年度は、ネズミ糞線虫の大腸寄生のメカニズムに関する研究(成虫の移植実験など)をおこない、以下の結果を得た。 (1)これまでの研究結果から、寄生成虫を生物学的に3群に別けることが適当と考えられた。 *A群:ラット寄生7日目の成虫。小腸上部に寄生し、宿主の(主として免疫学的)影響を受けていない。 *B群:ラット寄生19日目の成虫。小腸下部に寄生する。A群とB群の中間。 *C群:寄生25日目(以降)の成虫で大腸寄生する。宿主の免疫反応に抗して生きていると考えられる。 (2)A群とB群の成虫をそれぞれ既に免疫のあるラットの大腸に移植すると、A群では20日ほどでほぼ排除されるが、B群では40日以降も感染が継続する。すなわち、7日から19日の間に"虫が変わった"と考えられる。この変化を起こす引き金としてoxidantが関与しているのではないだろうか?これに関連して、我々は小腸と大腸の糞線虫ではSOD(superoxide dismutase)にかなりの相違があることを確認している。 (3)A群とB群の成虫をそれぞれ免疫の無いラットの大腸に移植すると、両群ともに虫の体長は短縮するが、子宮内の虫卵数はA群では減少、B群では増加する。すなわち、体長と虫卵数は異なったコントロールを受けているようである。少なくとも大腸は栄養学的(?)には糞線虫にとって棲みにくい場所ではないのか?糞線虫の栄養源とは何か?などの問題を解決する必要がある。
|
Research Products
(5 results)