2004 Fiscal Year Annual Research Report
肺ホーミング性Thl細胞,CTLを誘導する抗結核DNAワクチンの新戦略
Project/Area Number |
15590383
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
小出 幸夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (30126809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 年 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (90275024)
内嶋 雅人 浜松医科大学, 医学部, 助手 (20252174)
青枝 大貴 浜松医科大学, 医学部, 助手 (10324344)
岡田 全司 近畿中央胸部疾患センター, 臨床研究センター, 部長 (40160684)
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Keywords | 結核 / ワクチン / 第三世代レンチウイルスベクター / テトラマー法 / T細胞 |
Research Abstract |
肺結核の予防を目的として、肺ホーミング性抗結核T細胞を誘導するワクチンの開発を行った。この目的のため、昨年度は弱毒化自己溶菌性リステリアをキャリヤーとしたDNAワクチンを用いた。 本年度は感染効率の高いレンチウイルスをベクターとして、これに我々が発見した結核の防御抗原MPT51遺伝子またはHsp65遺伝子を挿入したワクチンを作製し、これを経気道的にマウスに接種した。レンチウイルスベクターとしては、最も安全性の高い第三世代のものを用いた。これはta6等の修飾遺伝子を除き、SIN(self-inactivating)ベクターを用いるものである。まず、MPT51を発現するレンチウイルス(5x10^6IU)を経気道的に免疫した。得られた結果は以下の通りである。 1.HE染色でウイルス接種マウスの肺にBALT形成が観察された。2.GFPの発現を測定すると、肺胞洗浄液中のマクロファージは接種2週後をピークとして約12%が陽性となった。また、縦隔リンパ節では約5%の細胞がGFP陽性であった。3.D^d124・32テトラマーでMPT51特異的T細胞を測定したところ、縦隔リンパ節では3週後にCD8T細胞の約1%が陽性であった。これは、1回免疫で得られた結果としては高値である。4.肺でも2週後にMPT51特異的T細胞が認められた。5.脾臓ではテトラマー法で特異的T細胞は認めなかった。6.ELISAで免疫脾細胞および縦隔リンパ節細胞を刺激したところ、予想通り縦隔リンパ節細胞がペプチド刺激に反応してIFN-γを大量に産生した。 以上、第三世代レンチウイルスベクターによる経気道免疫は肺指向性T細胞の感作に極めて有用であると考えられる。今後、BCGを感作にレンチウイルスワクチンを追加免疫としたヘテロ免疫法により、強力なワクチン接種法を開発する予定である。
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Research Products
(7 results)