2004 Fiscal Year Annual Research Report
BCG生菌由来Th1免疫誘導型新規TLR2リガンドの特定とサイトカイン誘導機構
Project/Area Number |
15590385
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河村 伊久雄 京都大学, 医学研究科, 助教授 (20214695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
光山 正雄 京都大学, 医学研究科, 教授 (10117260)
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Keywords | 結核菌 / IL-12 / マクロファージ / Toll-like receptor |
Research Abstract |
これまでの解析から、kMycobacterium bovis BCGや結核菌の早期培養上清中には、防御免疫を担うCD4^+T細胞の分化に必要なIL-12p40産生を誘導するタンパク性因子が存在し、この因子がマクロファージ表面上のTLR2を介してサイトカイン産生を誘導することが示されている。そこで本年度は結核菌に由来するIL-12p40産生誘導因子の特定に重点を置いて解析を行った。Sauton培地で対数増殖期まで培養した菌を新たなSauton培地に移し、24時間培養した。培養上清を回収し、限外ろ過法で濃縮後、ゲルろ過により得られた各画分のIL-12p40産生誘導活性を測定した。その結果、複数の画分にIL-12p40産生誘導活性が認められたが、最も非活性が高かったのは分子量150-200kの分子を含む画分であった。また、この画分のサイトカイン産生誘導活性がproteinase K処理により著しく抑制されたことから、IL-12p40産生誘導活性を有するタンパク性因子がこの画分に存在することが示された。この画分を非還元条件下でSDS-ポリアクリルアミド電気泳動(SDS-PAGE)を行ったところ、分子量190kおよび200kの位置にバンドが認められた。さらに、これらのバンドをゲルから切り出し、還元条件下でSDS-PAGEを行ったところ、それぞれ分子量22kおよび19kの位置にバンドが認められ、これら因子はオリゴマーを形成していることが示された。また、TOF-MS/MSによる解析から分子量19kの分子はFerritin family proteinであることがわかった。 また、ゲルろ過で得られた活性画分のIL-12p40産生誘導におけるToll-like receptor(TLR)依存性を調べた。TLR2を発現したHEK293細胞を刺激したところ、NF-κBの活性化が誘導されたが、TLR4を発現した細胞ではNF-κBの活性化は誘導されなかった。この結果から、この画分によるIL-12p40産生は、TLR2のリガンドであることが示された。
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Research Products
(3 results)