2003 Fiscal Year Annual Research Report
カンジダ酵母の形態変換制御遺伝子群の発現動態と組替え体による病原性評価
Project/Area Number |
15590408
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
長 環 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (90131870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 和彦 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (00224056)
知花 博治 千葉大学, 医真菌センター, 助教授 (30333488)
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Keywords | Candida albicans / 形態変換 / 酵母形 / 菌糸形 / 発芽管 / CGR1 / CaMSI3 / リアルタイムRT-PCR |
Research Abstract |
真菌カンジダ酵母はヒト常在菌であるが菌交代症や院内感染の原因菌となる臨床上重要な真菌の一つである。カンジダの酵母形から菌糸形への形態変換能については、近年病原性としての役割が注目されて折り、その機構解明と臨床への応用が急がれている。当該研究では形態変換の初期段階に焦点を置き、発現する遺伝子群の動態を検索し、その役割を検討することを目的とした。検討した遺伝子群は、形態変換初期に発現するとして当該研究室で単離したCGR1(カンジダ増殖制御遺伝子)とCaMSI3(カンジダMSI3)さらにそれぞれの遺伝子上流にその結合配列が存在する転写因子遺伝子NRG1およびEFG1、形態変換において負の制御をすると報告されているTUP1の計5遺伝子について検討した。遺伝子発現は定量性のあるリアルタイムRTPCR法を用い、野生株JCM9061と変異株CAI-4(ura3欠損株)の違いや環境の違いによる遺伝子発現の動態を調べ幾つかの有用な結果を得た。 1.野生株に比べ、変異株では発芽管の誘導が容易であることがわかった。 2.CGR1の発現は菌糸誘導系への環境変化15分以内に1.5倍程度の増加を示した。 3.変異株でのCGR1は温度感受性であった。 4.CaMSI3の発現は両菌株でヒートショック以外のあらゆる環境変化の15分以内に激減した。 5.EFG1とNRG1の発現は菌糸誘導系およびヒートショックの環境下では、全く同様の発現動態を示した。このことは両転写因子が形態発現と温度の影響下では同じシグナル伝達系に支配されていると考えられる。 6.変異株では飢餓処理やカルシウム阻害剤処理により遺伝子発現が一様に低下した。
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Research Products
(1 results)