2003 Fiscal Year Annual Research Report
モノクロナール抗体によるウエルシュ菌ε毒素の構造と機能の解析
Project/Area Number |
15590410
|
Research Institution | Kagawa Prefectural College of Health science |
Principal Investigator |
南 純三朗 香川県立医療短期大学, 臨床検査学科, 教授 (40157566)
|
Keywords | Clostridium perfringens / ウエルシュ菌 / ε毒素 / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
ウエルシュ菌(type BとD)の産生する致死毒素であるε毒素は、脳のシナプトソームやMDCK細胞膜上で7量体のporeを形成する。Poreの形成が毒素の活性発現に重要と考えられているが、膜上のレセプターやε毒素のレセプターとの結合領域は明らかにされていない。平成15年度の本研究では、ε毒素に対するモノクロナール抗体を作製し、得られた抗体の中から、ε毒素に対する中和活性を持つものを選択し、pore形成阻害、レセプターとの結合阻害、致死活性阻害の有無を明らかにするための実験を行った。ε毒素をホルマリンでトキソイド化して抗原とし、12クローンのハイブリドーマから。モノクローン抗体を得た。そのうち7種煩の抗体が毒素に対する中和活性を示したが、これらの抗体はいずれも毒素の高次構造を認識しており、そのエピトープ決定には至らなかった。そこで、ε毒素のN末端部分および、C末端部分を分断して致死活性を消失させ、さらに尿素で変性させたのち、それぞれを抗原としてマウスに免疫した。その結果ε毒素の一次構造を認識する抗ε毒素抗体を産生するハイブリドーマを約180個得ることができた。現在ハイブリドーマのサブクローニングと、毒素に対する中和活性を持つモノクロナール抗体を検索中である。今後引き続き中和活性を持つ抗体のエピトープを明らかにすることにより、ε毒素の機能ドメインの決定を行っていく。エピトープの決定はphage peptide display cloning systemによって行う。また、エピトープのアミノ酸を部位特異的変異導入法によって変異させたリコンビナント毒素を作製することにより、ε毒素の構造と機能の関係を明らかにしていく。
|