2005 Fiscal Year Annual Research Report
リバースジェネティクスを用いたパラミクソウイルスV蛋白の機能解析
Project/Area Number |
15590416
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
西尾 真智子 三重大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70156040)
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Keywords | hPIV2 / V蛋白 / ウイルス増殖 / 抗インターフェロン活性 / リコンビナントウイルス / Tet-on system |
Research Abstract |
1.V蛋白特異的領域に変異を入れたウイルスを感染させるとウイルス蛋白のP、NP蛋白の細胞内分布が変化する事より、V蛋白特異的領域とこれらの蛋白が結合していると考え検討を行った。その結果、NP蛋白のN末端より80番目のアミノ酸の領域でV蛋白の特異的領域と結合している事が明かとなった。V蛋白は直接P蛋白とは結合せず、P蛋白の細胞内分布の変化は結合しているNP蛋白の分布の変化によるものである事も明らかにできた。 2.V蛋白はV蛋白特異的領域のC末28アミノ酸の領域でV蛋白同士が結合している事を明らかにした。 3.V蛋白とNP蛋白はHIV-1などでウイルス粒子の出芽に関与している事が知られているAIP1/Alixと結合している事が解った。P蛋白はAIP1とは結合しなかった。V蛋白上のAIP1との結合部位はV蛋白特異的領域の178番目よりC末225番目のアミノ酸の領域であり、NP蛋白上の結合部位は47番目より445番目のアミノ酸の領域であった。 4.V蛋白に変異を入れたウイルスはインターフェロンのシグナルが欠如している細胞やインターフェロン酸生能がない細胞を使っても増殖が悪い。この事からV蛋白がウイルス増殖に関与している事が明らかである。しかし、V蛋白を恒常的に発現している細胞を使ってもV蛋白に変異の入ったウイルスの増殖は回復できない。Tet-on systemによりドキシサイクリンの添加によってV蛋白の発現を調整できる細胞株を樹立し検討を行った結果、10-100倍ウイルス増殖が回復した。 5.V蛋白が恒常的に発現している場合はV蛋白は核に分布し、AIP1は細胞質に分布している。しかし、一過性に発現させるとV蛋白は細胞質に移動し、AIP1とcolocalizedしていた。V蛋白を恒常的に発現している細胞ではウイルスの増殖が回復しなかったのはこの事が原因の一つであると思われる。
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Research Products
(6 results)