2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590420
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
藤田 美歌子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (00322256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 昭夫 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90127043)
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Keywords | HIV-1 / アクセサリー蛋白質 / Vif / プロテアソーム分解 / ウイルス複製 / リジン / アルギニン / ユビキチン化 |
Research Abstract |
本研究は、HIV-1アクセサリー蛋白質Vifのプロテアソーム分解によるウイルス複製制御の本態解明を目的としている。具体的には(1)プロテアソーム分解のメカニズム、(2)プロテアソーム分解量の調節のメカニズム、(3)分解のウイルス増殖における意義を明らかにすることを目指し、本年度は(3)において以下の成果を得た。 前年度において、Vifに存在する16個全てのリジンをアルギニンに変えたところ(リジンがユビキチン化を受け、それが目印となってプロテアソーム分解を受ける)発現レベルが野生株と比べて非常に高く、かつH9細胞におけるウイルス感染性付与能がないことを示した。この変異体がウイルス感染性付与能をもたない原因として、(1)発現レベルが高いため、または(2)ウイルス感染性付与にリジンが必須であるためということが考えられる。この(2)の可能性を調べるために、まず16個のリジンの内、N末端6個のリジンおよびC末端10個のリジンをそれぞれアルギニンに変えた変異体を作製した。これらの変異体のH9細胞における増殖性を調べたところ、N末端6個のリジンのアルギニン変異体が感染性を持たなかった。そこで、N末端6個のリジンの内1個または2個をアルギニンに変えた一連の変異体を作製し、H9細胞における増殖性を調べた。その結果、22および26番目の2つのリジンがウイルス感染性付与に必須であることが示された。次に22および26番目のリジン以外の14個のリジン全てをアルギニンに変えたところ、発現レベルは野生株と比べてわずかに高く、かつH9細胞においてウイルス増殖が見られた。結局、アルギニン変異体の性質を調べることでVifの分解のウイルス増殖における意義を示すことはできないことがわかった。
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Research Products
(1 results)