2004 Fiscal Year Annual Research Report
リバースジェネティクスを用いた狂犬病ウイルス病原性の解析とワクチン開発への応用
Project/Area Number |
15590427
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
森本 金次郎 国立感染症研究所, ウイルス第一部, 室長 (80183664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 智 国立感染症研究所, 獣医科学部, 室長 (90213157)
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Keywords | リバースジェネクティクス / 狂犬病ウイルス / 神経病原性 / 遺伝子欠損RNAウイルス / 弱毒生ワクチン |
Research Abstract |
狂犬病ウイルスのリバースジェネティクスにより、増殖欠損ウイルスを生ワクチンとして利用する目的で、P遺伝子欠損狂犬病ウイルスの作製を行なった。 先ずは、欠損したP蛋白質を補うため、マウス神経芽腫細胞(NA)、ハムスターBHK-21細胞を用いて、P遺伝子発現プラスミドをトランスフェクトし、P蛋白質発現細胞(NA-P,BHK-P)を樹立した。ウイルス完全長cDNAプラスミドからP遺伝子のコード領域を取り除いたプラスミド(p-HEP-delP)を作製し、P蛋白質発現細胞(NA-P,BHK-P)において、P遺伝子欠損狂犬病ウイルス粒子(def-P virus)を産生することに成功した。このdef-P virusはNA-P,BHK-P細胞でのみ増殖可能である。 このdef-P virusのin vitroでの性状解析を行ない。増殖速度、転写産物の解析、ウイルス蛋白質の産生等を調べた。ウイルスの増殖、ウイルスタンパクの産生量はP蛋白質発現細胞(NA-P,BHK-P)中で発現しているP蛋白質の量に依存していることが明らかとなった。(通常の感染細胞のおよそ5%の量を産生している。)ウイルスの産生量もほぼ5%であった。P蛋白質誘導発現系の細胞を新たに構築することにより、ウイルス産生量の増加を検討している。 さらに、def-P virusのin vivoでの性状解析を行ない。P遺伝子欠損狂犬病ウイルス粒子は乳のみマウスの脳内接種でもマウスを殺すことなく、成マウスの脳内接種において体重減少を示さず、完全に病原性を欠失していることが示された。 中和抗体産生能、ワクチンとしての有用性を親株であるHEP株と比較検討した。各種経路からの免疫後の致死量のウイルス感染に対する防御効果を調べた結果、腹腔内、筋肉内接種においては親株であるHEP株と同程度の中和抗体誘導、防御効果を示した。しかしながら、鼻腔接種、口腔接種では不十分な防御効果しか得られないことが分った。アジュバントの検討が必要であるとともに、より高濃度のワクチン接種が可能となるよう欠損ウイルス産生量の増加が検討課題である。
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Research Products
(8 results)