2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590434
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田中 伸幸 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60280872)
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Keywords | p38 / mkk3 / mkk6 / マクロファージ / LPS / 炎症性サイトカイン |
Research Abstract |
免疫系における細胞増殖および細胞死のシグナル伝達への関与が想定されているストレスキナーゼp38による免疫調節機構を明らかにする目的で、p38活性を部分欠損するmkk3、mkk6ノックアウトマウスを用いて自然免疫応答を検討した。各マウスより骨髄細胞を採取しMCSF存在下で骨髄マクロファージを分化誘導しLPS刺激に反応して分泌される炎症性サイトカインを検討した。その結果、mkk3およびmkk3-/-6+/-マウスにおいてTNFα、IL-12、IL-10の分泌が顕著に減少することが判明した。IL-12は活性化T細胞をTh1に強力に分化させることが知られている。したがってp38活性が低下した本ノックアウトマウスでは抗原提示細胞の機能異常によりTh1細胞分化が抑制される可能性が強く示唆された。一方、IL-10はT細胞抑制に働くことからIL-10の分泌低下は免疫系全般の抑制解除に影響する可能性が考えられた。マクロファージにおける他のmediatorの関与を明らかにする目的で半定量RT-PCR法によりiNOSの誘導を検討したところmkk3-/-6+/-マウスにおいて同遺伝子の発現誘導が顕著に抑制されており炎症制御機能への関与が示唆された。さらにマクロファージの貪食機能を検討するためFITC標識E.Coliの食作用を検討したところ、mkk3-/-6+/-において有意に貪食が遅延していた。以上の結果から、p38はマクロファージの貪食、殺菌、炎症性サイトカイン分泌のすべての過程において重要な働きを負っていることが判明した。現在mkk3のコンディショナルノックアウトマウス作成途上でありマクロファージにおいてp38活性をほぼ完全に抑制することで免疫制御への関与の解明の進展が期待される。
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Research Products
(2 results)