2003 Fiscal Year Annual Research Report
中心静脈穿刺・カテーテル挿入トレーニング用シミュレータの開発とその有用性評価
Project/Area Number |
15590448
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田邉 政裕 千葉大学, 医学部附属病院, 教授 (10207160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田川 まさみ 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (90261916)
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Keywords | シミュレータ / 中心静脈穿刺 / 鎖骨下静脈 / 中心静脈カテーテル挿入 / 内頸静脈 / フィードバック / 気胸 / 動脈穿刺 |
Research Abstract |
本研究においては、初年度に鎖骨下動・静脈、内頸動・静脈、肺、心臓などの画像情報をX線CT検査によって収集し、その情報をもとに脈管及び周辺臓器の正確な解剖学的位置関係を有するシミュレータのプロトタイプを作成した。このシミュレータは血管、皮下組織、皮膚の材質を改良して穿刺時の感触に現実感を持たせ、頻回の穿刺、カテーテル挿入によっても組織の破壊が少なく、模擬血液の漏出も最小限となるようにした。 循環系にモータを装着して模擬血液を循環させることで、静脈系の血管を穿刺し、模擬血液を吸引できるので、それによって穿刺を確認してカテーテルを挿入する一連の穿刺、カテーテル挿入手技を実地に即して行える。内頸動脈に脈拍に相当する振動装置を内蔵させ、内頸静脈穿刺の指標とすることができる。穿刺針に対するセンサーを鎖骨下動脈、内頚動脈及び、鎖骨よりも中枢側の静脈周囲に内蔵することで、危険な穿刺部位を学習者にフィードバックできるようになっている。さらに、胸腔穿刺の際は空気を吸引することから誤穿針によって気胸発生も知ることができる。このようなシステムにより学習者は穿刺失敗時にその原因を知ることが可能となり、穿刺毎に失敗理由のフィードバックを受けることで穿刺技能の改善を自ら図ることが可能となった。 シミュレータの耐久性の検証及び中心静脈穿刺・カテーテル挿入のためのトレーニング用ミュレータとしての有用性評価を研修医を対象として平成16年度に実施し、次年度には多くの研修医がこのシミュレータを利用したトレーニングを受けられるようにしたい。
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