2004 Fiscal Year Annual Research Report
問題解決型学習によるMedical Humanityの教育開発
Project/Area Number |
15590450
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北村 聖 東京大学, 医学教育国際協力研究センター, 教授 (10186265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加我 君孝 東京大学, 医学教育国際協力研究センター, 教授 (80082238)
大滝 純司 東京大学, 医学教育国際協力研究センター, 助教授 (20176910)
水嶋 春朔 東京大学, 医学教育国際協力研究センター, 講師 (60281739)
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Keywords | 課題探求型教育 / 問題解決型教育 / ヒューマニティー / 脳死 / 医療事故 / 出生前診断 |
Research Abstract |
平成14年度より、東京大学において、4年生を対象に問題解決型チュートリアル教育で、Medical Humanityの教育を行なっている。1学年約100名を16班にわけ(1班7人程度)、各々に1人の教官がチューター(ファシリテーター)として付き、ディスカッションを中心とした学習を行なっている。原則、金曜日の午後をその時間とし、自己学習の時間を充分にとった。 課題は毎年3種類用意し、1種類4週間をかけた。平成14年度は1)脳死による臓器移植、2)癌化学療法剤の間違いによる医療事故、3)ダウン症候群の出生前診断を課題とした。平成15年度は、3番目の課題を、老人介護の課題に入れ替えて実施した。平成16年度は科学的根拠に基づく医療(EBM)を課題として加えた。評価は、教官による学生の評価に加え、毎回自己評価や、同級生評価を中心に行った。また、教育開発の観点から、課題(シナリオ)の評価や、学生による教官の評価も行った。 脳死体からの臓器移植の課題では、1)脳死についての疑問、課題を見出す、2)知識を自らの興味を課題から得ること、3)患者家族の立場、医師の立場それぞれからロールプレイを行なって理解を深めること、4)脳死は人の死かどうかについてディベートを行なうことなどの教育課題を通してHumanityの研鑽を試みた。医療事故の課題では、ワークショップ形式で、KJ法などを用いて、医療事故を防ぐ方策について、学生たち自らがディスカッションの中で、解決策をまとめる訓練を行なった。EBMの課題では、日常遭遇する基本的な問題について自ら調査し、プレゼンテーションにまでもっていくよう指導した。PCを用いたプレゼンテーションはHPに収載し全ての学友が見れるようにした。これらの教育開発を通して多くの評価が得られた。また、観察的評価もデータとして得られたので、これらを解析し、また学生たちのアウトカムも評価することによりこの教育法の利点を明らかにした。
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