2003 Fiscal Year Annual Research Report
多種医療機関における高齢入院患者に対する退院支援の比較調査
Project/Area Number |
15590451
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長野 宏一朗 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30282627)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥羽 研二 杏林大学, 医学部, 教授 (60155546)
大内 尉義 東京大学, 大学院・医科系研究科, 教授 (80168864)
村嶋 幸代 東京大学, 大学院・医科系研究科, 教授 (60123204)
|
Keywords | 退院支援 / 高齢者 / 機能評価 |
Research Abstract |
【目的】特定機能病院、地域中核病院、療養型病床群などの機能の異なる医療機関において、退院支援を必要とする入院患者の属性、機能を比較した。また、医師、看護師、医療ソーシャルワーカー(MSW)のチームによる退院支援の効果をMSW単独の場合と比較検討した。 【方法】特定機能病院、地域中核病院、郊外型療養型病床群において、一定期間における65歳以上の患者に対する退院支援を比較検討した。退院支援対象患者の年齢、性別、ADL(Barthel Index)、痴呆(長谷川式簡易知能評価スケール)、意欲(Vitality Index)、介護保険要介護度、環境因子(在宅介護スコア)を退院支援依頼時に調査した。退院支援は、MSWの支援に費やした時間(分)、支援期間(日数)を計測し、各医療機関の間で比較検討した。 医師、看護師、医療ソーシャルワーカー(MSW)のチームによる退院支援とMSW単独によるそれを、支援に要した時間(分)、支援期間で比較した。 【結果】支援対象となる患者の属性、機能評価では、療養型病床群においてADLは有意に低下し、在宅介護スコアも有意に低値であった。また痴呆も他の2医療機関に比べ有意に高度であった。年齢、Vitality Index、介護保険要介護度は3群間に有意差は認められなかった。急性期医療機関である特定機能病院と地域中核病院における患者背景、機能評価項目すべてにおいて有意差は認めらなかった。チームによる退院支援ではそれに要する時間、支援日数はともにMSW単独の場合に比べ有意に短縮した。 【結論】療養型病床群の患者は急性期医療機関に比べADLが低く、痴呆は高度で、多くの介護を要する。チームによる退院支援はそれに要する時間、支援期間を短縮させ、有効な支援体制であることが示唆された。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 長野宏一郎, 柳澤愛子, 五十嵐雅哉: "介護保険と高齢者の退院支援"Gerontology. Vol.15, No.4. 35-38 (2003)
-
[Publications] 長野宏一郎, 鳥羽研二(分担執筆): "高齢者総合的機能評価ガイドライン-退院支援におけるCGA"厚生科学研究所. 288 (2003)