2004 Fiscal Year Annual Research Report
客観的臨床技能試験における技能・態度評価の客観性に関する研究
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15590459
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
福本 陽平 山口大学, 医学部附属病院, 教授 (90136193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 不二夫 山口大学, 医学部附属病院, 助教授 (10253155)
小早川 節 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (40363105)
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Keywords | OSCE / 医療面接 / 模擬患者 / 評価の客観性 / 概括的評価 |
Research Abstract |
客観的臨床技能試験(OSCE)の医療面接における評価の客観性を高めるために、医療面接の評価のあり方について研究を行ってきた。平成15年度には、教員と模擬患者間の評価の差を調べたところ、全体的には相関したが、成績不良者では両者の間に差がみられ、むしろ総合的・概括的な評価が注目された。そこで、平成16年度は、概括的評価を取り入れて検討を行った。方法は、病棟実習中の5〜6年生に模擬患者を導入した医療面接を行い、教員と模擬患者が同時に評価した。教員の評価は従来の23項目で、模擬患者は6項目の評価を行ったが、6番目に概括的評価の項目を設定した。すなわち、模擬患者の評価は、(1)信頼できる態度であったか、(2)共感的態度を感じたか、(3)言いたいことを十分言えたか、(4)病歴を十分聴いてもらえたか、(5)専門用語を使わず分かりやすい話し方をしたか、(6)次もこの医師にかかりたいと思うか、である。まず、(6)の概括的評価とその他の5項目についての相関関係を多変量解析を用いて調べ、さらに(6)の評価が良かった学生と良くなかった学生について、模擬患者はどの評価と関連づけているかを検討した。その結果、(6)の評価と最も関連性が強かったのは評価(4)であり、評価(1)がこれに次いでいた。一方、教員と模擬患者の採点のmean±SDは、それぞれ22.6±3.9(満点:32),5.8±1.8(満点:12)で、両者は良く相関した(P<0.0001)。以上の結果から、模擬患者評価の良かった学生は、「患者の抱える問題に対して傾聴する態度」を示したことで評価されたといえ、概括的評価の有用性の高いことが明かとなった。今後、面接評価の客観性を高めるためには、概括的評価の導入が必要であると考えた。
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