2003 Fiscal Year Annual Research Report
神経内科領域における検査のリスクマネジメントと妥当性についての検討
Project/Area Number |
15590461
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
伊地智 俊晴 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (50232351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 正樹 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (20315964)
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Keywords | 脳脊髄液検査 / 針筋電図検査 / 神経筋生検 |
Research Abstract |
神経内科領域において検査の必要性と、合併症の頻度を検討するため、Retrospective studyとして過去の入院カルテより脳脊髄液検査、針筋電図検査、神経または筋生検を行った症例のピックアップに着手した。現在までに脳脊髄液検査約150例、針筋電図約100例、神経または筋生検約20例がピックアップされている。すべての症例のピックアップが終了しないと正確な評価は困難であるが、脳脊髄液検査は感染症の診断には非常に有用と考えられる。針筋電図検査は神経原性変化を捉えるのには有用であるが、筋原性変化の証明はやや困難な場合が多い印象を受ける。筋生検では炎症性筋疾患やミトコンドリアミオパチーが予測される例では診断への寄与が大きいが、その他の筋疾患では診断困難な例が多い印象を受ける。神経生検は今のところ症例数が少なく判断が困難である。合併症のついては、重篤なものはなかった。脳脊髄液検査では検査後の頭痛が数人にみられたが、安静で軽快した。検査に伴う感染はなかった。針筋電図検査では疼痛がかなり強かった。検査後の合併症はなかった。生検では一例のみ血腫形成にため入院期間の延長をみた。 Prospective studyにおいては開始が平成15年9月からと当初の予定より遅れた。脳脊髄液検査25例、針筋電図検査20例が集まっている。まだ症例数が少ないが、今までのところ、髄液検査は中枢神経感染症には必須な検査で診断に関する寄与が大きいと考えられる。その他の場合、理学所見、他の検査所見を合わせて、総合的な判断が必要と思われた。検査に伴う合併症はみられていない。針筋電図検査では神経原性あるいは筋原性変化は今のところほぼ予測されたとおりである。合併症の発生はなかった。
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