2003 Fiscal Year Annual Research Report
薬効に心理社会的要因(ストレス)および患者の性格特性がどのような影響を及ぼすか
Project/Area Number |
15590468
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
小手川 喜美子 大分大学, 医学部, 助手 (20244171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 直子 大分大学, 医学部, 教務員 (30359971)
小手川 勤 大分大学, 医学部, 助教授 (20264343)
中野 重行 大分大学, 医学部, 教授 (10033341)
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Keywords | 性格特性 / Hostility-Guilt Scale / 攻撃性 / テレビゲーム / lorazepam / 抗不安薬 / 薬物動態 / 薬効 |
Research Abstract |
1.性格特性についての検討 大分医大学生を対象に、攻撃性についてBuss-DurkeeのHostility-Guilt Scale (HGS)で測定し、分布を検討した。対象とした学生96名(男性64名,女性30名)のHGS得点は、正規分布を示し、23.4±8.0(mean±SD)であった。 2.性格特性(神経質傾向あるいは攻撃性)と競争条件下における抗不安薬の効果と薬物動態 本試験では、競争条件にテレビゲーム(野球およびサッカーの対戦ゲーム)を採用した。対照には、行動科学に関する教育ビデオを用いた。志願した被験者は、上記で調査した性格特性の分布をもとに、攻撃性の低い群(L群)と高い群(H群)の各6名を選択した。対戦は、L群とH群の組み合わせにより実施した。薬物には、抗不安薬であるlorazepam 1mgを用い、ゲームあるいはビデオ鑑賞開始30分後に単回服用した。採血は、服薬前から服薬後36時間にわたり経時的に行った。また、ゲームあるいはビデオ鑑賞前から終了後まで、Visual Analogue Scaleを使用して、自覚症状(眠気,落ち着き,体のだるさ,やる気)を調査した。また、同時に血圧・脈拍数も測定した。 VASは、いずれの項目についても、ゲームおよびビデオ鑑賞時に、L群とH群で有意差を認めなかった。ゲームでは、L群に比しH群において、収縮期血圧の変化率は有意に大であったが、ビデオ鑑賞時には、両群に有意差を認めなかった。拡張期血圧の変化率はいずれの場合においても有意差を認めなかった。脈拍の変化率は、ビデオ鑑賞時にL群で、ゲーム時ではH群で大きい傾向が認められた。
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