2004 Fiscal Year Annual Research Report
脂質性シグナル分子、スフィンゴシン1-リン酸の細胞外濃度変化と臨床診断への応用
Project/Area Number |
15590479
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
桑原 敦志 群馬大学, 医学部, 助手 (90323344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 正巳 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30241871)
岡島 史和 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (30142748)
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Keywords | スフィンゴシン1-リン酸 / 脂質代謝 / 甲状腺ホルモン / リポタンパク / HDLコレステロール / LDLコレステロール |
Research Abstract |
スフィンゴシン1-リン酸(S1P)は血漿中でリポ蛋白と結びついて存在することが示されているため、血中脂質濃度の変化に伴ってSP濃度が変化することが考えられる。血中脂質濃度に変化を及ぼす因子として食事の影響を考慮する必要がある。また、糖代謝と脂質代謝が関連していること、甲状腺ホルモン濃度の変化は血中脂質濃度に大きな変化をもたらすことは、よく知られている。これらの要因、疾患とS1Pの血漿中濃度の関連を調べるため、以下の検討を行っている。 1.健常者の摂食前後の血中脂質(総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール)濃度、血漿SIP量を測定し、さらに、リポ蛋白質(VLDL、LDL、HDL)ならびにリポ蛋白抽出後の血漿(アルブミン)画分でのS1P分布を比較した。健常者ボランティアのデータを集積している。 2.甲状腺機能異常のある(亢進または低下症)患者の血漿で血中脂質濃度を測定し、血漿S1P量、さらに、リポ蛋白質ならびにリポ蛋白抽出後の血漿画分でのS1P分布を調べた。甲状腺機能変化による脂質代謝変化が血中のS1Pまたはその分布に及ぼす影響の解析を行っている。甲状腺機能が正常化した患者の長期的(6から12ヶ月)な血中S1Pの変化を解析する。 3.糖尿病患者血漿中の総コレステロール等の脂質濃度を測定し、血漿S1P量、さらに、リポ蛋白質ならびにリポ蛋白抽出後の血漿画分でのS1P分布を調べた。糖尿病コントロールの指標である血糖値やHbAlcとの関連性について検討している。 以上は昨年度に引き続き行っている。 今後の課題として、小児の冠動脈疾患をおこす川崎病に罹患した患児血清におけるS1Pの変化を調べることを企画している。
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