2003 Fiscal Year Annual Research Report
高感度酸素絶対測定による組織や細菌の薬剤感受性検査法の開発
Project/Area Number |
15590485
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
石田 哲夫 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (10176191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 裕之 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (10293820)
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Keywords | 酵素カラム / 酸素濃度測定 / 酸素電極 / 微量酸素 / カテコール / 酸素添加酵素 / フロンタルゲルろ過法 / シリンジポンプ |
Research Abstract |
本研究は、extradiol型酸素添加酵素のメタピロカテカーゼ(Mpc)と4-クロロカテコール(4CC)とからなる超高感度酸素分子絶対定量系をセミミクロスケールでの組織や細菌の酸素消費速度測定に応用し、組織や細菌の薬剤感受性を酸素濃度の関数として解析することを目指している。平成15年度は、以下の成果を得た。 1.(固定化Mpcの作成)各種の活性化ゲルや活性化磁気ビーズへのMpcの固定化を試み、HPLC用酵素カラムを作成した。本カラムに4CC吸着カラムと5-クロロ-2-ヒドロキシムコン酸セミアルデヒド(P_<4Cl>)吸着カラムを直結すれば酸素濃度ゼロの緩衝液を供給でき、酸素飽和緩衝液と混合すれば任意の酸素濃度の反応液が調製できる。強アニオン交換樹脂がP_<4Cl>吸着カラムとして利用できるが、4CC吸着カラムは現在検索中である。 2.(連続測定装置の開発)LCMass用高耐圧製シリンジポンプ(最大容量250μl)を購入し、ミクロ還流法やフロー法による酸素濃度連続測定を実現するために、パソコンで流路・流速(nl/minまで制御可)・容量をコントロールできるようにした。本装置でフロンタルゲルろ過法によるMpcとフェノール類との結合実験を行い、250μlの反応液量でも正確な結合データが得られることを示した(これまでの最小必要量は1ml)。これにより、目標とする100μlスケール試料の酸素濃度連続測定に本装置が利用可能なことを実証した。 3.(酸素電極用反応容器の改良)低酸素レベルでの酸素の流入が少なく必要な反応液量が小さい改良型専用ガラス反応容器を設計・作成した。反応液量が少なくなるほど、より厳しい密閉性が要求されることが明らかになり、現在テフロンとガラスを併用した反応容器を設計中である。 4.(好熱菌由来Mpcの機能解析とMpc安定化)Mpcは経時的に失活する。Mpcの活性を劣化させずに安定性を高めるように改変できるか検討するため、Mpcと好熱菌MpcのX線構造比較と好熱菌由来Mpcの機能解析を行った。好熱菌Mpcは、活性がMpcより約千倍小さいが、極めて安定で、過酸化水素にも耐性を示すことが分かった。
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