2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトB細胞腫瘍におけるAID発現とIg遺伝子体細胞変異との関係に関する研究
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15590488
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
巽 英二 神戸大学, 医学部, 助教授 (20192172)
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Keywords | バーキット・リンパ腫(BL) / 濾胞性リンパ腫(FL) / t(14;18)(q32;q21) / AID (activation-induced cytidine deaminase) / somatic hypermuation (SHM) / ALL |
Research Abstract |
[1]Hardianti MS, Tatsumi E,(他5名2番目).Expression of activation-induced cytidine deaminase (AID) in Burkitt Lymphoma cells : rare AID-negative cell lines with the unmutated rearranged VH gene. Leuk Lymphoma 2004;45:155-160.15個のバーキット・リンパ腫(BL)株細胞でAID発現を調べた所,Tree92及びBlack93の2者だけで、AID発現が無く、Ig遺伝子の可変部の変異(SHM)を認めなかった。Tree92は、TdTやRAG1/2を発現しながらsIgなどのBLとしての形質を示し、SHM陰性を予測できたが、Black93は、形質は通例のBL細胞と同様で、AID陰性SHM陰性は予想外であった。これは、AID陰性はAID primary negativeと称し得る状態であり、それまで未記載であった。[2]Hardianti MS, Tatsumi E,(他8名・2番目)AID expression in follicular lymphoma : association between AID expression and ongoing mutation in FL. Leukemia 2004;18:826-831.濾胞性リンパ腫(FL)は、胚中心の細胞に由来するとされる代表的なリンパ腫であり、高率のSHMがこれまで検出されて来た。FLの新鮮材料(15例)及び株細胞(4個)について、サブ・クローニングを行いクローン内多様性をも調べた。AID陰性は、新鮮材料で4例、株細胞で1個に検出されたが、これらには、十分高率なSHMが検出されAID secondary negativeと思われた。AID発現の新鮮材料では、AID発現と継続変異の程度が相関していた。これは、それまでに未発表の結果である。株細胞では、クローン選択が完了しているためか、AID発現はあっても継続変異は認めなかった。[3]Presence of SHM and AID in Acute Lymphoblastic Leukemia (ALL) L2 with t(14;18)(q32;q21). Mardiah Suci Hardianti^1, Eiji Tatsumi^1,(他10名・2番目)Eur J Hematol 2005;74:11-19.染色体相互転座t(14;18)(q32;q21)を示す稀なALL病型のAID発現とSHMを調べた。株細胞3個と新鮮材料2例。1対は株細胞と由来新鮮材料である。RAG1/2及びTdTを発現する例が含まれていたが、SHMはいずれも高率であり、AIDは株細胞380だけが陰性であった。新鮮材料2例では、継続変異も認めた。この観察は、未分化段階由来と通例見なされるALLでもt(14;18)を示すものでは、同時に成熟B細胞の性格も示し興味深い。
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Research Products
(2 results)