2004 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン早期分泌障害は遺伝的に規定されているのか?
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15590491
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
水野 昭 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (80219641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野間 喜彦 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (10218349)
新井 英一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (60325256)
塚口 裕康 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (60335792)
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Keywords | 門脈グルコースセンサー / Clamp-CPR-OGL法 / インスリン早期分泌 / 肥満者 |
Research Abstract |
Mitiglinide(MT)は、nateglinide(NT)に比し立ち上がりが早く作用の持続がやや長いとされているが、厳密な比較検討は未だない。MTのインスリン分泌刺激動態をNT, glyclazide(GC)と比較検討した。門脈カテーテル挿入法および注入法を確立し、手術侵襲が完全に消失した後に非拘束下で実験を行った。SDラット、OLETFラットを用い薬剤投与60分後に経口ブドウ糖負荷し、インスリン分泌動態を観察した。薬剤負荷後60分間、糖負荷後120分間の門脈あるいは静脈血での血糖値、インスリン変化を比較した。また、門脈内に腸管吸収グルコースに見合うブドウ糖を持続投与して、MT, NT, GC投与した際の血糖値、インスリン濃度変化を比較した。これら実験により門脈血でのインスリン変化は静脈血より大で、微妙な濃度変化も比較可能であるとの結論を得た。 2型糖尿病でPGS機能障害が存在するのか、この障害がインスリンの早期分泌障害と関連するかを検討した。PGS機能を評価する測定系、すなわちグルコースクランプ中にブドウ糖(0.2g/kg)を負荷し、その際のCPR反応性でPGS機能を評価する系を開発した。これにより糖尿病者での障害がどの時期より生のかを検討した。糖尿病者をBMIに基づき3群に分け(肥満、正常体重、やせ)、BMI>25.0の肥満者(IGT者と耐糖能障害のないNGT者)および健常者それぞれ10名を対照としてclamp-OGL-CPR法を実施した。血中CPRは、正常対照および肥満NGT者では有意に上昇したが、肥満IGT者と肥満糖尿病者ではごく軽度あるいは上昇が認められなかった。またこの間にGLP1は変化せず、CPR反応にインクレチンが関与していないことを明らかにした。この成績は、門脈ブドウ糖センサーを介するインスリン早期分泌は早期の肥満糖尿病患者や糖尿病発症以前の肥満IGT者でも障害されており、GS機能障害が糖尿病の発症およびその増悪に関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)