2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590499
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
田中 朝雄 東海大学, 医学部, 助手 (50192175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 真奈美 (独)産業技術総合研究所, ブラディオン連携研究体, 研究体長 (80188341)
鬼島 宏 東海大学, 医学部, 助教授 (90204859)
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Keywords | ブラディオン / 大腸癌 / セプチンファミリー / リアルタイムPCR法 / イムノクロマトグラフィー法 / 診断 / モニターシステム |
Research Abstract |
本研究は、代表者らにより新規に単離・抽出された大腸癌特異的発現物質ブラディオン(Bradeion)を用いた癌特異的診断技術開発と、最終的には治療技術開発(創薬も含む)を目的とする。 ブラディオンは癌細胞の加速された細胞分裂を可能にするエネルギー供給システムの核となるGTPaseであり、我々は既にその酵素活性、化学解析、活性中心の同定と特異的阻害剤の研究を進めてきている。 平成15年度は、ブラディオンタンパク質の構造解析データに基づいた活性中心部位の特定から、発現遺伝子やそのタンパク質を標的にした微量測定デバイスへの応用研究に力点を置き、多数の患者検体を用いた有用性の実証を行った(論文1)。すなわち、ブラディオン遺伝子やそのタンパク質の測定による大腸癌の診断を、発現遺伝子検査法(リアルタイムPCR法)と、検体中のブラディオンタンパク質をモノクローナル抗体で検出するイムノクロマトグラフィー法(通称テストストリップ法)の、2つの独立した系によって調べた。その結果、テストストリップ法では、0.1ng/mlレベルまでブラディオンが検出可能で、偽陽性は全くなかった。リアルタイムPCR法では、患者の組織サンプルで癌患者組織から抽出された総RNA 1マイクログラムあたり0.4-3.0x10^5とかなりの高コピー数を示したのに対し、正常組織または他の癌では検出感度以下の値しか示さなかった。結論として、本研究は大腸癌特異的分子マーカーを用いた実用的診断方法を紹介し、安全をかつ経済的で、癌の迅速スクリーニングを提供することを示した。また、アンチセンス技術を応用したターゲッティング技術開発は、生体での有用性も既に示され、今後の特異的治療技術開発が期待される。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Manami Tanaka, Tomoo Tanaka, Seiichiro Matsuzaki, etc.: "Rapid and quantitative detection of human septin family Bradeion as a practical diagnostic method of colorectal and urologic cancers."Medical Science Monitor. 9・7. MT61-MT68 (2003)