2003 Fiscal Year Annual Research Report
わが国における、臨床微生物学的検査の外部精度管理アセスメントに関する調査研究
Project/Area Number |
15590500
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
熊坂 一成 日本大学, 医学部, 助教授 (20096803)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒島 康友 日本大学, 医学部, 助手 (10167231)
矢内 充 日本大学, 医学部, 講師 (90267089)
猪狩 淳 順天堂大学, 医学部, 教授 (20053100)
|
Keywords | External Quality Assessment / 外部精度アセスメント / 臨床微生物学的検査 / 認定臨床微生物検査技師 / 衛生検査所指導要領 |
Research Abstract |
External Quality Assessment (EQA)は、日本の微生物学や感染症関連の専門書に、ほとんど記載がない。この理由は、医療制度の違いに加えて、専門家不足から欧米先進国のように学問分野として認知されがたかったことが大きいと思われる。 本年度は「臨床検査に係わる外部精度管理調査についてのアンケート調査」を、1)全国都道府県衛生研究所および2)日本臨床微生物学会会員である180名の認定臨床検査技師全員を対象として実施した。法的根拠として「衛生検査所指導要領」には「精度管理に係わる指導監督を行うに当たっては、大学、都道府県衛生研究所などの技術的助言をうけて行うことが望ましい」と明記されている。しかし、今回の調査結果では、地方衛生研究所の全てが確実にその役割を認識しているとは判断できなかった。一方、認定臨床検査技師からは多彩な意見が収集できたが、項目によっては全く対立する見解もあった。 この2つの調査から現時点で言えることは、わが国における臨床微生物検査外部精度管理の現実は、英国やカナダの先進国に比べると、行政当局や臨床検査専門医を含む主催者側と参加者側の両者の目的意識においても、実際の調査回数や是正処置の機会・方法に関しても相当に遅れていることは確かであろう。 また、3)全国から選抜した20名の認定臨床微生物検査技師を中心にした二日間にわたる「ワークショップWS」を開催した。このWSでは、初日に「わが国における臨床微生物検査のEQAの問題点」の解析し、二日目に、その問題点・制約事項のある中で「EQAの改善プランニングに関して、現実的・具体的な方策」をまとめた。WSのプロダクトの一部は中間報告書としてまとめ、第15回日本臨床微生物学会学術集会(会期:平成16年1月24日、25日、つくば国際会議場)で、「微生物検査室の精度管理のあり方」に関するシンポジウムで発表した。
|
Research Products
(1 results)