2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590501
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Research Institution | KANAZAWA MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
福永 寿晴 金沢医科大学, 医学部, 講師 (70121259)
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Keywords | pH / pCO_2 / pO_2 / 血液ガス測定用標準物質 / トノメトリー |
Research Abstract |
平成16年度は血液ガス測定用標準物質を用いた正確さの調査を2回実施する予定であったが、参加施設との調整がつかず、一度だけ実施した(1〜3)。また、数種類の分析装置にトノメートリーした血による検討(4)を行った。以下にその結果を示す。 1)血液ガス測定用常用標準物質(Lot.No.:B04C1,pH, pCO_2,pO_2の各項目に標準値と不確かさの大きさが値付けされたヘモグロビン溶液で3濃度/セット)2セットを132台(31機種,6メーカー)に配布し正確さの調査を実施した。試料の保存および測定は使用説明書に従った。 2)測定結果:pHは各濃度とも標準値±0.03の範囲に85〜95%の分析値が入ており、昨年同様殆どの分析装置で正しく測定されていることが分かった。pCO_2については高濃度の試料のばらつきが大きく、中・低濃度ではほぼ正確に測定されている。pO_2では測定値の分布が正規分布ではなく2〜3峰性の分布を示し、全体的に大きなばらつきを示した。これはヘモグロビンの酸素解離曲線の特性に起因しており、安定化のためには解離曲線を変える必要がある。 3)補正効果:1セット目の結果を基に補正式(直線回帰式)を作成し、2セット目の結果を補正した。全ての項目で補正値は真値に近づいており補正が有効なことが示された。 4)ヒト血液によるトノメトリーと標準物質の比較:従来の電極を使用している装置では両者に差はないが、小型の半導体センサーを用いた機種ではヒト血液とトノメートリーされた血液の間に乖離が見られることがあり、半導体センサーを用いた機種には血液ガス測定用標準物質が不適であることが分かった。 以上、血液ガス分析値の標準化は従来のデスクトップ型の機種については血液ガス測定用標準物質を定期的に用いることで十分可であるが、半導体センサーを用いる機種については新たな標準化の方法を模索する必要がある。
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Research Products
(6 results)