2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590502
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
通山 薫 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80227561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 満 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00360272)
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Keywords | 微小残存腫瘍 / 白血病細胞 / 自動検出法 |
Research Abstract |
本研究の目的は、末梢血中に存在する微量の腫瘍細胞(具体的には急性白血病細胞を対象とする)を感度よく検出する手法を開発することである。研究代表者・通山は、ヒト骨髄性白血病細胞株を薬剤によって成熟好中球へと分化誘導し、その過程で表面マーカーとしてCD11bの発現増強、続いてCD16の発現が増強してくることをフローサイトメトリーで確認したが、この間の細胞変化を汎用自動血球分析装置にて観察したところ、細胞が成熟するにつれて個々の細胞のもつ側方蛍光度(核酸量を反映)が低下していくことを見出した(本結果の一部は今回の研究に先がけて報告済み。Tohyama K, et al.:Automated analysis of differentiation-induced leukemic cells during all-trans retinoic acid therapy of acute promyelocytic leukemia. Archiv Pathol Lab Med (web-issue)127:e4-e10,2003.)。 このことから白血病細胞を検出するための指標として側方蛍光度が重要と考え、種々の白血病細胞株について側方蛍光度を測定した。その結果調べた細胞株のすべてにおいて、患者白血病細胞に比べて著明に側方蛍光度が強いことがわかった。これは細胞株の場合患者細胞に比べてRNA含有量が多いためと考えられた。従って本測定系では細胞株は必ずしも患者検体に対する良い陽性コントロールとはなり難いと判断し、以降専ら患者末梢血を用いて、側方蛍光度による白血病芽球の検出力を目視法との比較で検討開始し、現在に至っている。なお患者検体のルーチン検査外取り扱いについては、既に本学所轄委員会にて承認を受けている。今後側方蛍光度以外のパラメーターもあわせて検討する予定である。
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