2003 Fiscal Year Annual Research Report
わが国におけるC型肝炎ウイルス持続感染者集団の予後予測に関する研究
Project/Area Number |
15590513
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田中 純子 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (70155266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉澤 浩司 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30109954)
熊谷 純子 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (70346485)
片山 恵子 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (50304415)
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Keywords | HCVキャリア数 / 疫学モデル / C型肝炎ウイルスの持続感染 / 自然史モデル / 検診の有効性 |
Research Abstract |
本研究の最終の目的である、肝がん死亡の減少を目的とした検診の有効性を数量化して客観的に評価することを達成するために、今年度は下記に示す研究を行い成績を得た。 1.【HCVキャリア数の推計】 日赤との共同研究(了承済み)により、1995年1月〜2000年12月までの計3,485,648本の初回供血者の資料をもとに、性・出生年ごとにHCV抗体陽性率および、HCVキャリア率の算出を行った。全体ではHCV抗体陽性率は0.49%(男性0.48%、女性0.50%)であった。しかし、出生年別にみると、2000年時点の年齢に換算した場合16-19歳では0.13%、20歳代では0.21%、30歳代では0.77%、40歳代では1.28%と年齢階級が高い集団ではHCV抗体陽性率も高くなり、50歳代、60歳代ではそれぞれ1.8%、3.38%の値を示した。さらにこの傾向は、男女とも同様に認められることが明らかとなった。得られた成績と、国勢調査による当該人口の資料から、日本における性・5歳刻みの年齢別にHCVキャリア数の算出を行った。その結果、15歳から69歳の年齢集団93,325,570人中HCVキャリアは884,954人(95%信頼区間72.5〜104.5万人)であり、男性では46,638,636人中464,363人(37.8〜55.1万人)、女性では46,686,934人中420,591人(34.7〜49.4万人)と推計することができた。 2【HCVキャリアの自然史のモデル設定および介入がある場合のモデルの設定】 HCVキャリアの自然史のモデルについては、HCVキャリア・慢性肝炎・肝硬変・肝がん・治癒という5つの病態を設定し、肝がんを終末像とするモデルを構築した。このモデルの妥当性を検討した結果、報告された臨床病理学的治験成績と対比してその妥当性が認められた。介入のあるモデルについては、抗ウイルス療法および、肝庇護療法を合理的に行った場合の肝病態の年時変化を元に数理モデルの構築を行った。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Tanaka.J: "Natural Histories of Hepatitis C Virus Infection in Men and Women Simulated by the Markov Model"Journal of Medical Virology. 70(3). 378-386 (2003)
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[Publications] Hiraoka.T: "Lack of epidemiological evidence for a role of resolved hepatitis B virus infection in hepatocarcinogenesis in patients infected with hepatitis C virus in Japan"Intervirology. 46(3). 171-176 (2003)
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[Publications] 田中純子: "肝炎ウイルスキャリアの動向"臨床医. 29(5). 560-565 (2003)
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[Publications] 吉澤浩司: "病因論に基づいた肝炎、肝がん対策 -肝炎ウイルス感染と肝がんの疫学的背景および対策の理念-"医学と薬学. 49. 16-25 (2003)
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[Publications] 田中純子: "献血を契機に見出されたHCVキャリアの病態解明に関する追跡調査2002"広島医学. 56(12). 827-831 (2003)
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[Publications] 片山恵子: "献血を契機に発見されたHCVキャリアを対象とした腹部超音波検診および肝外随伴病変としての口腔粘膜検診成績"広島医学. 56(12). 832-835 (2003)
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[Publications] 田中純子: "C型慢性肝炎治療の新たなストラテジー:我が国のHCV感染の現状"先端医学社. 290 (2004)