2005 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギー制限下の心臓が獲得する耐寒性・抗不整脈性等の生体適応と寿命延長
Project/Area Number |
15590526
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
和田 安彦 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (10261653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西池 珠子 大手前短期大学, 講師 (40309448)
西村 泰光 川崎医科大学, 医学部, 講師 (90360271)
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Keywords | エネルギー制限 / 冬眠 / 心電図 / 心拍数 / 低体温 / サーカディアンリズム / 老化制御 / 自律神経 |
Research Abstract |
高齢者では睡眠覚醒リズムが不明確になる。また引き籠もり等を引き起こす「小児型慢性疲労症候群」では睡眠覚醒リズム障害と高い夜間深部体温が観測されている。このように健康的な生活のためには概日リズムの維持が重要と考えられる。一方、栄養素不足のないエネルギー制限(Energy restriction : ER)は、種々の動物で再現性良く老化抑制効果が認められる。しかもER下のマウスは概日性の低体温(daily torpor)を示す。 本研究ではERマウスの体温・心電図同時記録を行い、摂取エネルギー量および加齢が概日リズムへ及ぼす影響を評価した。更に概日リズムを制御する自律神経機能を評価した。 結果、1年5月齢でのCtの体温は37.4〜36.0℃、心拍は毎分680〜440回であった。同齢のERマウスの体温は37.5〜24℃の間を変動し、心拍数は体温変化に先行して(即ちヒステリシスを示して)上下し、最高は給餌(18時)前後の毎分690回で、最低は早朝の体温下降時の110回を記録した。更に、加齢の影響を調べた結果、高齢(2年齢)マウスでは体温・心拍の変動が減弱し、心拍数の変動が体温変動に先行することを示すヒステリシスも不明確になった。 次いで、心拍の周期的変動の周波数成分を分析した結果、副交感神経活動の指標とされるHF成分は、ER>Ct、体温低下時>活動期、若年>高齢であった。 以上から、ER下マウスの心臓は、自律神経系等の上位の調節により、体温変化を含む代謝調節に能動的に関わっていることが示唆された。また、適度なERは中高齢者の概日リズムの維持・増強に貢献する可能性も示唆された。
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Research Products
(6 results)