2005 Fiscal Year Annual Research Report
食品の放射線照射を化学分析により高感度測定する手法の開発
Project/Area Number |
15590533
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
尾花 裕孝 大阪府立公衆衛生研究所, 食品医薬品部, 主任研究員 (60191970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古田 雅一 大阪府立大学, 理学研究科, 助教授 (40181458)
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Keywords | 食品 / 放射線 / 照射 / 2-ドデシルシクロブタノン / 2-テトラデシルシクロブタノン / 食品照射 / 検知 |
Research Abstract |
放射線照射された食肉類が流通市場に混入した場合でも確認できるかを検証することを目的に、一定期間冷凍保存した照射食肉やその調理加工品を分析し、2-アルキルシクロブタノンの指標性を検討した。その結果、生の食肉類への照射により生成した2-DCBの濃度は、1年間の冷凍保存(-20℃)で照射直後に比べ約20%減少したが、2-TCBは明確な減少傾向を示さなかった。2-DCBと2-TCBはすべての保存試料で検出され、照射の検知指標性は維持されていた。また保存中に測定の妨害となるような成分は生成されなかった。 放射線照射された鶏卵や鶏肉を材料にしたホットケーキや空揚げを1年間冷凍保存すると、2-DCBおよび2-TCBは半年で約20%減少し、1年の保存では30〜50%減少したが検知は可能であった。ラット固形餌に照射し室温と冷凍保存を比較したところ、室温では9ヶ月保存で検出下限までシクロブタノン濃度が減少し、冷凍保存も減少速度は遅いが似た傾向を示した。加工食品では生の食肉類に比べて2-DCBと2-TCBの安定性が低い結果であった。 香辛料などの植物類の照射検知指標として、照射によって生成する一酸化炭素ガスの有効性について検討した。食品を放射線照射した時に生じるガス類の中で、一酸化炭素は比較的長期間試料中に残り、照射指標として有用であることが報告されている。そこで密閉されたビニール袋中に照射試料を入れ、一定量の水を加えた後に電子レンジで20秒間加熱し、試料に残存する一酸化炭素を試料から追い出し、一酸化炭素検知管により測定する簡易検知法を考案した。 本法の目的は、植物性での照射食品検知であるが、全粒胡椒や山椒の実などでは照射後6週間までの室温保存では照射検知が可能であったが、10週間になると残留ガス濃度が下がり確実な判定が困難になった。一方、牛肉や豚肉では1年間の冷凍保存後も照射検知が可能であった。 本法は操作が簡単で、高価な測定機器を使わずに約30分で結果が判明するなど簡易法として優れた点を持つが、適用できる試料範囲が限定的であることも明らかとなった。
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Research Products
(1 results)