2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590535
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐藤 しづ子 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (60225274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹野 高嗣 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10125560)
阪本 真弥 東北大学, 病院・講師 (90157686)
庄司 憲明 東北大学, 病院・講師 (70250800)
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Keywords | 若年者 / 味覚異常 / life styleの変化 / 食生活の変化 / 味覚検査 / 疫学調査研究 |
Research Abstract |
近年、従来はみられなかった若年者における味覚異常が社会問題となっている。その原因としては、ダイエット、コンビニエンス食、食生活の欧米化とそれに伴う和食の不摂取、昼夜逆転など若年者をとりまく最近の社会現象(life styleの変化)との関連が指摘されはじめている。さらに、現代社会におけるストレスは、自律神経を失調させ、味覚に重要な役割をはたす唾液分泌の低下をきたし口腔乾燥症を招き、ストレスによる若年者の味覚異常の惹起が指摘されている。しかしながら、これまで味覚異常は、高齢者についての実態調査はみられるものの、若年者における実態は全く不明であった。そこで、若年者をとりまく社会現象との関連を明らかとすることを目的として、若年者の味覚異常の実態(発症率・病因など)について疫学調査研究を行った。調査研究に同意を得た本学歯学部新入生153人に、濾紙ディスク法を用いた味覚検査、唾液分泌量測定および味覚異常の原因に関する問診を行った。その結果、1)全体の24.8%に味覚異常がみられた。殆どは、軽度味覚異常で、高度味覚異常者はいなかった。味覚異常者の9割以上には、味覚異常感はなかった。2)味覚異常者全員の唾液分泌量は正常だった。3)味覚異常者には、全身疾患および服薬はなかった。4)味覚異常者には、ストレス、睡眠時間、インターネット使用、香水使用との関連はみられなかった。5)味覚異常者には、朝食欠食者が多かった。6)味覚異常者では、豆類、魚貝類、海草類の食品摂取頻度が少なかった。7)味覚異常者には、貧血様症状と体重減少者が多くみられた。以上より、若年者における味覚異常は食生活との関連が深く、全身健康のために味覚検査と食事指導が必要であることが判明した。
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Research Products
(2 results)