2005 Fiscal Year Annual Research Report
女性癌患者と配偶者の性的適応に関する研究-夫婦の相関と経時的プロセス-
Project/Area Number |
15590539
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 都 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20322042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐 一郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30126023)
斎藤 民 東京大学, 大学院医学系研究科, 助手 (80323608)
小池 眞規子 目白大学, 人文社会学部, 教授 (00337635)
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Keywords | 悪性腫瘍 / セクシュアリティ / 乳がん / 生殖機能 / カップル関係 / 性相談 / 意識調査 |
Research Abstract |
平成17年度は、以下の3点について研究を実施した。 1.乳がん患者対象の質問紙調査(1) 九州がんセンター乳腺科・看護部の協力を得て、乳がん患者とパートナーの人間関係、術後の性行動の実態、および性に関する情報ニーズを明らかにすることを目的として、平成17年4-5月に外来患者を対象にした質問紙調査を実施した。有効回答数121(有効回答率58.1%)。術前に性行為があった92名中79名(85.9%)が術後性行為を再開し、再開後の性行為頻度に年齢や治療内容との関連はみられなかった。再開した回答者全員が何らかの性的問題を経験していたが、医療者も含めて誰かに相談したことがあるのは約1割にとどまっていた。年齢や治療内容にかかわらず、広い対象への性関連情報提供の重要性が示唆された。 2.乳がん患者対象の質問紙調査(2) 千葉県がんセンター乳腺外科の協力を得て、乳がん患者の術後性機能への影響要因に関する質問紙調査を実施した(3月現在継続調査中)。独立変数・従属変数には、Female Sexual Function Inventoryなど、平成16年度に翻訳して信頼性と妥当性を検証した各種尺度を用いた。中間分析では、「本人が性的関係を重要視する程度」と「性に関するコミュニケーションの良好度」が、術後の患者性機能に関連していることが明らかになった。 3.がん患者の性と生殖に関する医師の意識調査 治療による不妊リスクや対応方策に関する情報提供の実態、および、がん治療後の生殖や配偶子凍結保存に対する医師の考えを明らかにすることを目的として、日本造血幹細胞移植学会に所属する医師を対象とした質問紙調査を実施した。有効回答数144(有効回答率31.9%)。治療による不妊の可能性を説明する医師は、「全員に説明する」37.5%、「場合によっては説明する」59.7%であり、情報提供の内容も様々であった。情報の内容と媒体の両方を検討する必要性が示唆された。
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Research Products
(29 results)