2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590555
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
竹森 幸一 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (50003546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 春江 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (00315540)
浅田 豊 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (00315532)
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Keywords | 生活習慣 / 食塩過剰摂取 / シナリオ学習 / チューターガイド / PBL / 食生活 / 教育モデル / 血圧 |
Research Abstract |
本研究の目的はPBL(Problem Based Learning)の手法を、地域住民の生活習慣改善に応用した新しい教育モデルを開発することである。青森県内の町村と減塩に関する共同事業を行い、減塩指導前後の教室参加者の食生活をはじめ他の生活習慣に対する意識の変化を観察し、尿中食塩、カリウム排泄量(K)、ナトリウムカリウム比(Na/K)の変化を観察することにより新モデルの教育効果を評価していくものである。対象は青森県N町で開催された第3回減塩教室の参加群29名、検査群11名である。 グループワークの質的分析の結果、導入段階では(1)検査結果の要因分析、(2)減塩行動の振り返り等の学習過程を経た。前半の学習では、(1)「加工食品は塩分高い」等シナリオの問題点の抽出、(2)「みそ汁に野菜を3種以上入れている」等自分の食生活の振り返り、(3)「量を食べてしまうので運動をして消費させる」等自分の食生活及び生活習慣改善の取り組み状況の見直し、等の学習過程を経た。後半の学習では、(1)「素材の味のおいしさが分かった」等教室期間中に学びえたことの自分なりの振り返りと総括、(2)「煮汁やそばつゆを残す」等確実かつ長期的に実行可能な目標の導出・再構築、等の学習過程を経た。総括すると減塩、カリウム摂取等食生活改善方法の理解を中心に学びの深化を認めることができる。 アンケート結果は、減塩に取り組む必要性については殆どの人が必要性を認識して教室へ参加し、それをクラス会まで維持していた。また、食塩の取りすぎが血圧へ影響することも殆どの人が知っていた。減塩の方法について知っている人の割合が参加群で教室後は40%アップし、クラス会まで保たれていた。検査群は変化がなかった。以上のことから、減塩教室には事前に減塩に取り組む必要性を十分認識し、興味関心を抱いて参加することによって、学習効果が高められるものと推測される。 塩分は教室前、後、クラス会とも検査実施した参加群19名,検査群8名の結果である。尿中食塩は参加群、検査群とも変化がみられなかった、Kは検査群では変化がなかったが、参加群で教室前からクラス会にかけて有意に増加した(p=0.047)。Na/Kは参加群で教室後からクラス会にかけて低下傾向にあったが有意ではなかった(p=0.138)。検査群は変化がみられなかった。参加群において教室前からクラス会にかけてKが有意に増加したことから、自己実践は継続されていたものと考える。
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Research Products
(4 results)