2003 Fiscal Year Annual Research Report
肺炎クラミジア感染が動脈硬化および虚血性心疾患の関連についての疫学研究
Project/Area Number |
15590556
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
小池 和子 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (60110508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 眞一 大阪府立健康科学センター, 健康開発部, 部長
磯 博康 筑波大学, 社会医学系, 教授 (50223053)
垣花 昌明 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (60092178)
桜井 直美(駒田 直美) 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助手 (10274979)
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Keywords | Chlamydia pneumoniae / 感染 / 抗体保有率 / 動脈硬化 / 虚血性心疾患 / PCR |
Research Abstract |
15年度は、茨城県における突然死による事例の行政解剖事例において、動脈硬化が顕著に認められる検体より以下の実験を行った。 1、血中抗体価を測定し動脈硬化との関連を探ることすなわち、ELIZA法によるヒタザイムC.ニューモニエ(日立化成)を用いて、剖検血清32検体の抗C.pneumoniae IgA及びIgG抗体価を測定した。 全解剖検体を動脈硬化所見の著明な群とその他の群とに区分して比較した結果、平均年齢65.1±11.0におけるIgA、IgG抗体保有率は、平55±18.7の53%に比べて85%と高値を示した。抗C.pneumoniae IgA、IgG値においても両者間にはIgA、IgG抗体保有率、ID値ともに高く(IgA;P=0.0184、IgG;P=0.0075)がみられた。また、年齢をマッチさせた場合でも、抗C.pneumoniae IgA、IgG抗体ID値において、動脈硬化所見の著明な群は高く、両者間にはIgA、IgG抗体ID値共に有意差(IgA;p=0.0361、IgG;p=0.0192)がみられた。 2.動脈断片よりPCR法によって、Chlamydia peneumoniaeの遺伝子を検出し、感染の有無を確認することを目的とした。 すなわち、16S rRNA遺伝子中のC.pneumoniaeに特異的な配列858bpを増幅するプライマー(sense 5'-AGTGTAATTAGGCATCTAATAT-3'antisense5'-GCTGTATTTCTACAGTTG-3')を用いた。94℃3分のホットスタートで、Denaturation 94℃1分、Annealing 45℃1分,Extention 72℃1分(最後のサイクルのみExtention 72℃7分)で35サイクルの反応行ったが、本実験においては、遺伝子の確認には至らなかった。剖検例の増加ならびに条件検討を加えて継続する。
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