2004 Fiscal Year Annual Research Report
肺炎クラミジア感染と動脈硬化および虚血性心疾患の関連についての疫学研究
Project/Area Number |
15590556
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Sciences |
Principal Investigator |
小池 和子 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (60110508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯 博康 筑波大学, 社会医学系, 教授 (50223053)
佐藤 眞一 大阪府立健康科学センター, 健康開発部, 部長
駒田 直美 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助手 (10274979)
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Keywords | Chlamydia pneumoniae / 感染 / 抗体保有率 / 動脈硬化 / 虚血性心疾患 / PCR |
Research Abstract |
1.16年度は前年度に引き続き、突然死より行政解剖を施行された検体の大動脈組織アテローム病変より、PCR法によりChlamydia pneumoniaeの存在の有無を検討した。突然死により行政解剖された検体においては、血清抗体価は9検体中4検体が、C.pneumoniaeの感染既往があったが、PCR法によるC.pneumoniaeの特異領域の増幅は確認されなかった。また感染細胞から抽出したRNAにおいてRT-PCRを行った。プライマーは、Positive Conrol RNAには、Contorol F-1 primer(5'-CTGCTCGCTTCGCTACTTGGA-3')、Contorol R-1 primer(5'-CGGCACCTGTCCTACGAGTTG-3')を用いた。また、感染細胞より抽出したRNAには、C.pneumoniaeに特異的な配列を目標としたもの(sense 5'-AGTGTTATTAGGCATCTAATAT-3'antisense 5'-GCTGTATTTCTACAGTTG-3')を用いた。RT-PCRプログラムは50℃30分でRT反応後、94℃2分でRtaseを不活化し、PCR反応としてDenaturation 94℃30秒、Annealing 60℃30秒、Extention 72℃10分を50サイクルとした。その結果、C.pneumoniaeに特異的な配列が増幅された。よって、感染後、検体摘出が早期に整備され、RNAを抽出することによって、アテローム病変部位から直接的にC.pneumoniaeを検出することができると考えられた。 2.茨城県地域住民について頚部エコーを実施し、内径動脈の狭窄が有意に高いものと低いものを性、年齢、検診年をマッチさせ、106名づつ選出した。ケース・コントロール共に血清中抗C.pneumoniae抗体価を測定し動脈硬化との関連を検討した。測定方法はELIZA法によるヒタザイムC.ニューモニエ(日立化成)を用い、C.pneumoniaeの持続・繰り返し感染が動脈硬化に及ぼす影響の有無を追及した。その結果、頚動脈狭窄の強い群は、対照群に比しIgA抗体価が高い傾向を示し、頚部エコーによっても動脈硬化とC.pneumoniae繰り返し感染の間に関連があることが示唆された。
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Research Products
(2 results)