2003 Fiscal Year Annual Research Report
脱共役蛋白質UCPと神経ペプチドNPY動態からみた習慣飲酒形成の神経化学的研究
Project/Area Number |
15590584
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
吉本 寛司 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (70111903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 文彦 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 講師 (80238485)
矢野 忠 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 教授 (70166560)
吉田 俊秀 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教授 (60079770)
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Keywords | 脱共役蛋白質 / アルコール / 飲酒 / 褐色脂肪組織 |
Research Abstract |
【緒言】脱共役蛋白質uncoupling protein (UCP)は、ミトコンドリアでの酸化的リン酸化を脱共役させ、脂肪などのエネルギーをATPに合成することなく熱に転換する機能分子ファミリーである。最近、熱産生のみならずエネルギー消費の調節や肥満のターゲット分子として注目されている。今回、飲酒と摂食行動との関連性の有無を解明する目的で、EtOH投与後のUCP1(代表的UCPファミリー)mRNA発現の変化を経時的に検討した。【材料と方法】実験動物は、8wks雄ICRマウスを用いた。全個体絶食18時間後2群に分けた。EtOH群には、E tOH 2g/kg i.P.投与、0.5,1.0,2.0及び4.0時間後に断頭、対照群(0時間)には、同量の生食を投与後断頭し、すばやく褐色脂肪組織(BAT)を摘出した。リアルタイム定量RT-PCR法により、BAT UCP1mRNA及びβ-actinを測定し、EtOH投与によるUCP1mRNAの経時的変化を[UCP1mRNA]/[β-actin]比の変化で示した。【結果と考察】EtOH 2g/kg i.p.投与後BAT UCP1mRNA発現は、1時間まで変化が認められなかったが、2時間以降有意な増加変動を示した。急性EtOH投与によるHPA系刺激ノルアドレナリン増加や内分泌刺激甲状腺ホルモン増加の報告がある。特にUCP1mRNA発現にβ3-アドレナリン受容体刺激と遊離脂肪酸が関与し、アルコール摂取とUCP1活性の関連性が認められた。【結語】EtOH摂取初期は、HAP系刺激によるBAT UCP活性によるエネルギー散逸が認められ、その後セットポイントによる摂食行動の増加が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 吉本寛司, 古村節男: "アルコール好きの体質"肥満と糖尿病. 2(6). 67-69 (2003)
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[Publications] K.Yoshimoto et al.: "The age of drinking onset and housing Condition influences rat alcohol drinking behavior."Jpn.J.Alcoholand Drug Dependence. 38(4). 335-340 (2003)
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[Publications] K.Yoshimoto et al.: "Pharmacological studies of alcohol susceptibility and brain monoamine function in stroke-prone..."Tohoku J.Exp.Med. 201. 11-22 (2003)