2003 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光共鳴エネルギー移動を利用した時間分解蛍光測定法の開発とその法医学検査への応用
Project/Area Number |
15590588
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
木村 博子 順天堂大学, 医学部, 講師 (00053299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 和子 早稲田大学, 理工学部, 教授 (60111457)
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Keywords | ホモジニアスイムノアッセイ / 覚せい剤 / 時間分解蛍光測定 / 4-ヒドロキシノネナール / 酸化ストレス / 過酸化脂質 / 敗血症 / LPS |
Research Abstract |
1)覚せい剤イムノアッセイスクリーニングの開発 N-アミノブチルメダンフェタミン(MA)とウシ血清アルブミンの結合体に蛍光ラベル剤(BHHCT-Eu^<3+>)を標識し,抗MA抗体に対してMAと競合反応をさせた.抗MAウサギIgGにはCy5を標識した.エネルギードナーであるBHHCT-Eu^<3+>の蛍光波長615nmはエネルギーアクセプターであるCy5の吸収極大波長643nmに近いため,これらは互いに近接して結合した時のみに,紫外光で励起されたエネルギードナーであるEu錯体からのエネルギー移動が起こり,アクセプターであるCy5の増感発光が観察される.蛍光測定用マイクロタイタープレートに標識抗原25μl, MA標準液または検体希釈液50μl,さらにCy5標識抗体溶液25μlを同時に加えて混合し,37℃で30分反応させた.340nmでEu^<3+>を励起し,680nmにおけるCy5の蛍光強度を時間分解蛍光測定で求めた.緩衝液中の標準MAの最小検出濃度は約0.1ng/mLで,1ng/mL〜1μg/mLの濃度範囲で測定できた.測定誤差は8濃度の平均CVが1.98%であった.次に検体である尿や血清が測定に及ぼす影響を調べるために,覚せい剤を含まないことが明らかなヒトの尿および血清に,MAを10^2-10^<-2>ng/mLの濃度になるように加えた.EuとCy5の蛍光強度を測定し,緩衝液で希釈したMA溶液を測定した値との比較を行ったところ,検体によるCy5の消光,あるいはエネルギー遷移の効率がほとんど影響を受けていないことが推測された. 2)4-ヒドロキシノネナール(HNE)のイムノアッセイによる酸化ストレスの測定 酸化ストレスの関与する炎症病態評価のため、血液中の過酸化脂質などの定量法の確立が望まれているが,4-HNEのイムノアッセイを開発した.抗4-HNEポリクローナル抗体・モノクローナル抗体の2つの抗体を使ったサンドイッチイムノアッセイでHNEを測定した.HNEの測定範囲は0.08-800 nmol/mlであり、通常の競合法より検出感度・再現性ともに高かった.敗血症モデルとして,LPSを腹腔投与した雄SDラットから経時的に採血し,定量可能であった.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kobayashi M, Kimura H, Liao J, Abe M, Hirose S, Tomino Y.: "Measurement of mouse urinary type IV collagen using time-resolved fluoroimmunoassay."Analytical Sciences. 19. 205-210 (2003)
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[Publications] Mukaida M, Takada-Matuzaki Y, Masuda T, Kimura H.: "The identification of a victim using the DGGE method for trace deposits collected on adhesive film."Forensic Science International. 132. 157-160 (2003)
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[Publications] 木村博子, 向田政博: "ヒトにおける血液型の変化"日本醫事新報. 4114. 112-113 (2003)