2004 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素に起因しない一酸化炭素の毒性作用に関する研究
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15590590
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
原 修一 東京医科大学, 医学部, 講師 (70208651)
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Keywords | 一酸化炭素 / 低酸素 / ヒドロキシルラジカル / カルシウムイオン / ラット / 線条体 / 酸素分圧 / 血流量 |
Research Abstract |
1.一酸化炭素(CO)による・OH生成におけるCa^<2+>の役割 (1)Ca^<2+>非存在下では、basal ・OHは減少するが、COによる・OHの増加はCa^<2+>存在下と同程度であった。しかし、・OHの増加はCa^<2+>存在下よりも遅れて観察された。 (2)Ca^<2+>非存在下においてCOによる・OHの増加は、小胞体からのCa^<2+>放出を阻害するdantroleneにより抑制されたが、Ca^<2+>存在下では抑制されなかった。ryanodineおよびthapsigarginについても検討したが、溶媒として使用したDMSOの影響を排除することができないためこれらの効果を適切に判断することができなかった。 (3)低酸素性低酸素(HH;5% O_2)においても・OHの増加が観察されたが、COの場合ほど顕著ではなかった。 2.COおよびHHによる動脈血中パラメータ、線条体の酸素分圧、血流量および細胞外アミノ酸濃度の変動 (1)COおよびHHではそれぞれ動脈血中の還元型ヘモグロビン(Hb)およびCO-Hbが増加して酸化型Hbおよび酸素濃度が減少し、これらは、3000ppm COと5% O_2で同程度になったが、動脈血中pO_2は、前者で上昇、後者で下降した。 (2)線条体の酸素分圧は、COおよびHHとも低下し、3000ppm COと5% O_2で同程度になったが、各々の曝露中止後、後者ではリバンウンドとみられる一過性の上昇が観察された。 (3)線条体の血流量は、COおよびHHとも増加し、3000ppm COと5% O_2で同程度になったが、各々の曝露中止後、後者では曝露前よりも減少した。 (4)線条体におけるglutamate (Glu)、taurine (Tau)およびAlanine (Ala)の各アミノ酸の細胞外濃度については、3000ppm COと5% O_2でGluおよびAlaが同程度増加し、後者でのみTauが若干増加した。
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Research Products
(2 results)