2004 Fiscal Year Annual Research Report
がん親和性パーソナリティが肺癌患者の予後に与える影響についての前向き研究
Project/Area Number |
15590601
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
永野 純 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (10325483)
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Keywords | ストレス / パーソナリティ / 心身医学 / 肺癌 / 精神腫瘍学 / 生存分析 / 前向き研究 |
Research Abstract |
本年度の研究実績 解析:約5年間の生命予後追跡が可能であった肺癌患者95人のうち、診断から6ヶ月以内であった68人を解析対象とした。Cox比例ハザードモデルを用いて人口統計的要因、臨床的要因、およびパーソナリティ要因(Grossarth-Maticekによるタイプ1〜タイプ6パーソナリティ)と生存との関連を検討した。 結果:タイプ1得点が高い患者およびタイプ4得点が低い患者では、診断時の病期が進行している傾向にあった。単変量解析では、タイプ1およびタイプ5得点が高いことが不良な予後と関連していたが、タイプ4と予後との関連は有意ではなかった。さらに、本標本において有意な予後規程因子であった年齢、一般状態(performance status)、および病期を統計的に補正すると、タイプ1と予後との関連は不明瞭となり、タイプ5のみが有意な予後規定因子として残った。 結論:肺癌患者において、タイプ5パーソナリティが不良な予後規定因子である一方、タイプ1やタイプ4は独立した予後因子ではないかもしれない。 本研究の意義:パーソナリティとがんについての過去の文献を系統的にレビューしたが、肺癌についての文献は稀少であり、Grossarth-Maticekパーソナリティについての研究は皆無であった。我が国における肺癌の重要性を考えれば、より規模の大きな研究、できれば各病期ごとの層別解析が可能な研究によって追試を行っていく必要があると考えられた。
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Research Products
(5 results)