2004 Fiscal Year Annual Research Report
胆汁酸によるアポトーシス調節作用と肝再生機構に関する研究
Project/Area Number |
15590614
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
平野 史倫 旭川医科大学, 医学部, 講師 (60250552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
府川 悦士 旭川医科大学, 医学部, 助手 (60322913)
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Keywords | 胆汁酸 / NF-κB / p65 / アポトーシス / 抗アポトーシス / farnesoid X receptor |
Research Abstract |
本研究は胆汁酸によるアポトーシス・細胞増殖作用に関してアポトーシス関連分子や細胞増殖関連分子あるいは転写因子の側面から解明しようとするものであり、平成15年度から平成16年度の2年間で計画されている。本年度は、2年目の最終年度にあたり胆汁酸によるfarnesoid X receptorとNF-κBの相互活性化機構と胆汁酸の標的遺伝子の解明について検討した。 まず、はじめにfarnesoid X receptorとNF-κBによる転写調節作用における相互作用を検討するため、プロモーター上にNF-κB結合領域を有するルシフェラーゼレポーター遺伝子(2XkB-Luc)を作成しfarnesoid X receptorが転写活性化能を有するか否かについて検討した。その結果、farnesoid X receptor単独では2XkB-Lucの転写を誘導できなかった。そこで、farnesoid X receptorとNF-κBの相互作用を検討するため、NF-κB存在下でfarnesoid X receptorの発現量を徐々に増加させると、2XkB-Lucの転写はNF-κB単独と比較してfarnesoid X receptor発現量依存性に活性化された。その作用は、NF-κBのコンポーネントの中で、p65に認められたがp50には認められなかった。また、farnesoid X receptorとNF-κB発現プラスミドを用いた免疫沈降法によって、farnesoid X receptorとNF-κBはそれぞれダイマリゼーション部位を介して結合していることが明らかとなった。次に、胆汁酸によるNF-κB活性化機構についてin vitro phosphorylation法を用い検討した。その結果、NF-κB活性化の情報伝達系の中で、特に重要なIκBキナーゼをリン酸化していることを解明した。さらに、DNAチップを用いた解析から、胆汁酸によって活性化される様々な遺伝子が発見され、現在なおこれら機能分子を解析している。従って、本年度の研究から胆汁酸は直接NF-κBを活性化するとともに、farnesoid X receptor活性化を介したNF-κB活性化機構を介して肝細胞増殖や抗アポトーシス作用を有する標的遺伝子を活性化させ肝再生機構に深く関与していることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)