2003 Fiscal Year Annual Research Report
Crohn病の病因および新たな治療ターゲットとしてのカテプシンの意義
Project/Area Number |
15590616
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
飯塚 政弘 秋田大学, 医学部, 講師 (00241654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 純夫 秋田大学, 医学部, 教授 (20138225)
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Keywords | Crohn病 / 病因 / カテプシン |
Research Abstract |
平成15年度は以下のような研究を行い、その成果を得た。 【方法】(1)Crohn病患者血清を用いたWestern Blotの解析:Crohn病患者22例、潰瘍性大腸炎患者13例、正常成人15例の血清と、われわれがクローニングしたカテプシン蛋白とのWestern Blotを再度行い、その結果を詳細に解析した。(2)ラット小腸上皮細胞(IEC-6)培養液中にカテプシン蛋白を添加し、細胞内シグナル伝達経路(ERK1/2,IkB-α)の活性化の有無をWestern Blotにて調べた。【結果】(1)Crohn病患者血清の41%がカテプシン蛋白と反応を示した(強陽性18%,弱陽性23%)。罹患範囲別陽性率は、小腸型75%,小腸大腸型35%,大腸型0%と、小腸型が高率に陽性を示した。一方、潰瘍性大腸炎患者では陽性例はなく、正常成人では13%が弱陽性を示した。(2)カテプシン蛋白によりIEC-6細胞を刺激することにより、細胞内シグナル伝達経路ERK1/2,IkB-αともにリン酸化を認めた。【考察および結語】小腸型Crohn病患者は高率にカテプシン蛋白に対する抗体を有し、かつカテプシン蛋白が小腸上皮細胞に対し何らかの生物学的活性を有することが明らかとなった。このことより、カテプシン蛋白がCrohn病の病因・病態に関与している可能性が高いことが示唆された。
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