2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590626
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金井 文彦 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師(病院) (70334399)
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Keywords | C型肝炎ウイルス / プロテアーゼ阻害剤 / ペプチドライブラリー |
Research Abstract |
C型肝炎ウイルス(HCV)は長い年月をかけて肝臓をむしばみ、慢性肝炎から肝硬変、ひいては肝不全、肝癌をひき起こす。世界人口の約3%がHCVに感染していることが考えられている。本邦でもHCV感染症に対してインターフェロンとリバビリンの併用療法が保険適用となったが、ウイルス駆除率は決して充分ではなく、さらなる治療法開発が急務である。HCVの遺伝子NS3にコードされるプロテアーゼをターゲットとした治療薬開発が試みられてきたが、未だ特異的阻害剤はない。HCVタンパクのProcessingの解析からNS3は少なくともD/E-X-X-X-X-C/T-A/S(D, E, C, T, A, Sはアミノ酸1文字表記、Xは従来の方法でアミノ酸の特異性がみいだされていない)のC/TとA/Sの間を切断することが知られているが、NS3がユニークな立体構造をとることが阻害剤開発を困難にしている。化学合成されたランダムペプチドライブラリーを用いリン酸化酵素の基質のリン酸化モチーフを解析し、阻害剤を設計する試みが行われているが、最近この方法をプロテアーゼの基質特異性決定に応用した例が報告された。本研究では生化学の分野において強力な解析手法となったペプチドライブラリーを肝炎ウイルスプロテアーゼの基質特異性の解析に応用し、阻害剤を開発することを目的とする。 我々は既に、HDVのNS3領域をGlutathione S Transferase(GST)に融合したGST-NS3発現ウイルスを昆虫細胞に感染させ、組換えタンパクを発現・精製した。この蛋白を大量調整を試みているが、組み換え蛋白のGlutathione-beadsからの溶出効率が低く、純度の高い精製蛋白の調整に時間を費やし、当初の予定から遅れが出ている。既に基質として知られている合成ペプチドを用いた活性測定を引き続き行なう。
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