2003 Fiscal Year Annual Research Report
消化管免疫担当細胞活性化における細胞内カルシウム動員の役割の検討
Project/Area Number |
15590637
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
伊熊 睦博 浜松医科大学, 医学部, 助手 (00275108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金岡 繁 浜松医科大学, 医学部, 助手 (00252172)
梶村 昌良 浜松医科大学, 医学部, 講師 (40252184)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / 消化管免疫 / 細胞内カルシウム |
Research Abstract |
本年度は消化管免疫細胞の基礎的機能を評価する前準備として、以下の実験を進めて来た。 (1)消化管上皮細胞において抗原認識や、薬物耐性に関与するとされるアニオントランスポーターの機能評価を行った。この際、最も重要な輸送体の一つである消化管Cl-HCO3 exchangeの制御機構に関しては、これ迄報告が乏しく本研究での研究成果の一部を含める形で、別記のごとく研究発表(雑誌論文)を行った。本課題項目に関しては、来年度は引き続き消化管細胞でのLTRPCチャンネルなどの核酸依存性カルシウムイオン流入につき検討予定である。 (2)消化管免疫細胞の単離方法の確立:既存の方法では細胞内カルシウムの長時間計測について十分な活性が維持されない為、生理学的機能を一定時間確保しうる単離方法を得るべく分離法ならびに保存法の検討を行った。これまでのところほぼ良好な機能を保つ単離が得られ、細胞内に各種カルシウム色素を取り込ませることに成功、キャリブレーションなどの基礎的測定を行っている。併せて、実験腸炎モデルとしてTNBS腸炎ならびに類似化合物による腸炎の作成を行い、消化管免疫細胞の形態的変化につき基礎的データの取得を開始した。来年度はこれらの実験系を発展させ、具体的免疫活性化のプロセスを細胞内カルシウム動態との比較で検討予定である。 (3)炎症性腸疾患患者での消化管免疫細胞機能を評価する為の準備として、同疾患患者での血液細胞中の免疫担当細胞の単離について:生理学的検討を行いうる活性を擁する細胞の取得を日指した。これは未だ経過途上であり来年度引き続き基礎的実験を重ねる必要がある。また、手技の確立後は、上記(2)の手法で得られる消化管由来細胞との機能比較を行い、統合的評価の手法を確立すべく研究を発展させたい。
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Research Products
(1 results)