2004 Fiscal Year Annual Research Report
過酸化脂質継続摂取が腸管粘膜の発癌性に与える影響:抗酸化物の発癌抑制効果を中心に
Project/Area Number |
15590659
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
綱田 誠司 佐賀大学, 医学部, 助手 (70264158)
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Keywords | アポトーシス / 過酸化脂質 / ODC / EGF / グルタチオン |
Research Abstract |
目的 過酸化脂質を継続摂取し継続的に傷害された粘膜に対して細胞増殖因子がアポトーシス,細胞増殖に与える影響を小腸,大腸にて比較検討する.グルタチオンは過酸化物を解毒する作用を有するとされているが食餌性にグルタチオンを与えることにより過酸化された腸管粘膜の細胞増殖が正常化するかを検討する. 方法 ラットに食餌性過酸化物としてfish oilを4%含む飼料を24時間常温大気中に放置したものを4週間与えた.対照群には通常のラット用飼料が与えられた.小腸粘膜中の過酸化脂質量をthiobarbituric acid assayを用い測定した.ラットを24時間絶食後に腸管粘膜のアポトーシスの定量を破砕DNAの正常DNAに対する比率で行った.fish oil摂取群のラットに飲水として1%濃度のグルタチオンを与え,小腸粘膜内の過酸化脂質量,アポトーシスの発現率,ODC活性を,対照群,および過酸化脂質摂取群と比較した.また,腸管粘膜細胞の増殖の指標としてオルニチン脱炭酸酵素(ODC)活性の測定を行った.MitogenとしてEGFを40μg/kg,腹腔内投与し4時間後に腸管粘膜内のODC活性を測定した。 結果,考察 過酸化脂質の継続摂取により抑制された小腸粘膜細胞のturn overが抗酸化物質であるグルタチオン摂取により正常化した.また,過酸化された腸管粘膜においてはmitogen(EGF)において大腸粘膜の細胞増殖性が特異的に増加することを証明した.過酸化された大腸粘膜はmitogenに対する細胞増殖作用が小腸粘膜に比較し増強されることから過酸化脂質の継続摂取は大腸粘膜の腫瘍発現性を増強させる可能性があるものと考えられた.
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Research Products
(7 results)