2004 Fiscal Year Annual Research Report
ニコチンが肝臓機能(生理および病態)に及ぼす作用に関する研究
Project/Area Number |
15590681
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
米田 政志 獨協医科大学, 医学部, 講師 (30261407)
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Keywords | ニコチン / 肝病態 / 神経伝達物質 / 肝血流 |
Research Abstract |
喫煙が健康に及ぼす影響に関する研究は呼吸器疾患を中心として種々行われているが、肝臓に関しては殆ど行われていない。これまでに申請者はラットの門脈内へのニコチン投与によって肝血流が減少することを明らかにしたが、その機序は不明であった。そこでニコチン門脈内投与による門脈圧の変化および肝血流に対して主要な作用を有するエンドセリンの関与を検討した。 ウレタン麻酔下でウィスター系雄性ラットを用いて実験を行った。門脈圧は門脈内にカテーテルを留置してトランスデューサーに接続することで測定し、肝血流はレーザードップラーを用いて測定した。ニコチンを経静脈的投与して門脈圧および肝血流の変化を観察した。さらにニコチン投与前に抗エンドセリン-1抗体、エンドセリンA受容体拮抗薬、エンドセリンB受容体拮抗薬およびエンドセリンA受容体拮抗薬+エンドセリンB受容体拮抗薬前投与を行った。 その結果、ニコチンを門脈内に投与すると用量依存性に門脈圧を増加させるとともに肝血流が減少した。ニコチン門脈内投与による本作用はエンドセリンA受容体拮抗薬およびエンドセリンB受容体拮抗薬の前投与によって部分的に抑制され、両拮抗薬あるいは抗エンドセリン-A抗体によって完全に消失した。 以上の結果より、ニコチンはエンドセリンを介して門脈血管抵抗性を上昇させることで肝血流を減少させることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)