2004 Fiscal Year Annual Research Report
Crohn病に対する樹状細胞を用いた抗原特異的な新しい免疫治療法の開発
Project/Area Number |
15590685
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岩男 泰 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40168547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日比 紀文 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50129623)
渡辺 守 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (10175127)
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Keywords | Crohn病 / 樹状細胞 / NKT細胞 / 抗原 / 炎症性腸疾患 / Th1 / Th2 |
Research Abstract |
Crohn病は肉芽腫形成、全層性炎症を特徴とする難治性慢性炎症性腸疾患であり、我々の研究グループではこれまでに腸管粘膜局所における腸管腔内抗原に対するTh1型優位の免疫反応が本症での組織傷害を惹起していることを明らかにしてきた。本研究は自然免疫系および獲得免疫系を制御している樹状細胞に注目し、本症のTh1型免疫反応誘導機構における重要性を明らかとする目的で、腸間膜リンパ節より樹状細胞を単離する方法を確立し、腸管内抗原提示における樹状細胞の機能異常を追究した。 まず、腸間膜リンパ節より樹状細胞を単離する方法を、磁気細胞分離、フローサイトメトリーを用いて初めて確立した。腸間膜リンパ節より単離した樹状細胞およびCD4陽性T細胞について解析することにより、Crohn病の腸間膜リンパ節内でimmatureDC1樹状細胞の増加とTh1サイトカインプロファイルをもち、転写因子T-betの発現が亢進したCD4陽性T細胞が増加していることが示され、このことはCrohn病の腸間膜リンパ節内でTh1免疫反応が亢進しており、その機序として樹状細胞によるTh1誘導が重要であり、Crohn病の病態において腸間膜リンパ節における免疫反応がトリガーになっている可能性が示唆された。さらに、今後、樹状細胞を標的とした、あるいはNKT細胞などを用いてTh1/Th2サイトカインバランスを是正するCrohn病に対する新しい治療法の開発する上で重要な知見と考えられた。
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Research Products
(6 results)