2004 Fiscal Year Annual Research Report
線維芽細胞増殖因子(FGF)-7とFGF-10による膵組織再生誘導の研究
Project/Area Number |
15590696
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
石渡 俊行 日本医科大学, 医学部, 助教授 (90203041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 善哉 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20237184)
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Keywords | 線維芽細胞増殖因子 / FGF-7 / FGF-10 / 膵再生 / KGFR / nestin / pancreatitis |
Research Abstract |
上皮細胞に局在するKeratinocyte growth factor receptor(KGFR/FGFR2IIIb)に対して線維芽細胞増殖因子(FGF)-7とFGF-10が結合し、その増殖を促進させることが知られている。近年、膵臓の発生分化過程において、FGF-10が重要な役割を果たしていることが明らかとなった。ラットの急性膵炎モデルにおいてFGF-7とFGF-10が膵炎の回復期に産生され、再生腺房細胞には正常の腺房細胞に見られないKGFRが発現している。またKGFRは正常膵臓と膵炎組織の膵島に豊富に局在していることから、膵島の機能、形態の維持にも重要と考えられる。FGF-7,FGF-10の慢性膵炎後の膵再生における役割を検討するため、Dibutyltin dichlorideをラット頸静脈内に投与し、実験膵炎モデルを作成した。慢性膵炎組織において、膵島細胞に加えて多数の膵管細胞と再生腺房細胞にKGFRの局在が認められた。このことから膵管細胞と腺房細胞の増殖分化にFGF-7,FGF-10がKGFRを介して作用していると考えられ、KGFR陽性細胞の一部は分化能を有する膵前駆細胞である可能性が示唆された。神経細胞のstem cellに発現するnestinが、膵島細胞にも局在することから膵の前駆細胞として膵臓の再生に重要な役割を果たすものと近年注目されている。ラットの急性膵炎モデルにおいてnestinの局在を検討したところ、nestinが膵島と膵炎後に新生する血管内皮細胞、myofibroblastなどに豊富に認められることを確認した。このことよりnestinが膵臓の血管新生と膵臓の上皮系細胞の再生に関与していることが考えられ、KGFRの局在と比較検討し、膵臓の前駆細胞の組織標本上での同定と再生誘導治療への応用を検討中である。
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Research Products
(2 results)