2003 Fiscal Year Annual Research Report
消化吸収機能からみた糖尿病と高脂血症の病態生理に関する研究
Project/Area Number |
15590698
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
島本 史夫 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (00211285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大前 貴裕 大阪医科大学, 医学部, 専攻医
平池 豊 大阪医科大学, 医学部, 専攻医
石黒 大三 大阪医科大学, 医学部, 助手
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Keywords | 消化吸収 / 呼気試験 / 糖尿病 / 高脂血症 / 動脈硬化 / 小腸絨毛 |
Research Abstract |
糖尿病、高脂血症および動脈硬化の病態を消化吸収機能面から解明する目的で、I型糖尿病モデルとしてSTZラットを、II型糖尿病モデルとしてOLETFラットを、高脂血症・動脈硬化モデルとしてapoE欠損マウスを用いて検討を行っている。 疾病が発症してから1ヶ月後、3ヶ月後、5ヶ月後の各時期毎に採血(インスリン、空腹時血糖、総コレステロール、中性脂肪)をして各疾患の程度を確認した。胃排泄時間測定のためにゾンデで^<13>C-acetateを胃内注入後に密閉型チャンバーに入れて呼気を経時的に採取し、^<13>CO_2濃度を質量分析装置で測定した。次いで、脂肪吸収機能を測定するために^<13>C-trioctanoinを同様の方法で投与し、呼気中^<13>CO_2濃度を測定した。その後屠殺して小腸を摘出し、小腸全長および絨毛長を測定した。 STZラットではインスリン値は対照群に比べて有意に低値であり、空腹時血糖は有意に高値を示し、インスリン欠乏型(I型)糖尿病を呈していることが確認された。総コレステロールおよび中性脂肪も対照群に比べて高値であり、高脂血症の合併も確認された。胃排泄時間に変化はみられなかったが、^<13>C-trioctanoin呼気試験は対照群に比べて有意に高値を示し、中鎖脂肪酸の吸収機能が亢進していることが確認された。小腸全長も長くなり、絨毛も高くなっていることから、小腸吸収面積の増加による脂肪吸収亢進が推測された。 OLETFラットおよびapoE欠損マウスも順次、糖尿病・高脂血症・動脈硬化が形成されてきており、同様の方法で検討中である。
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