2004 Fiscal Year Annual Research Report
消化吸収機能からみた糖尿病と高脂血症の病態生理に関する研究
Project/Area Number |
15590698
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
島本 史夫 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (00211285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平池 豊 大阪医科大学, 医学部, 助手 (80388248)
大前 貴裕 大阪医科大学, 医学部, 助手
金光 宣旭 大阪医科大学, 医学部, 専攻医
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Keywords | 2型糖尿病 / 動脈硬化 / 高脂血症 / 呼気試験 / OLETFラット / アポE欠損マウス / 小腸絨毛 / 脂肪吸収 |
Research Abstract |
2型糖尿病モデルであるOLETFラット、対照となるLETOラット(26、34、42週齢)を用いて小腸絨毛の形態的変化と脂肪吸収機能につき検討した。体重、血糖、HbA1c、血清インスリン、総蛋白、総コレステロール、中性脂肪、小腸全長と絨毛上皮の高さを測定し、^<13>C-trioctanoin呼気試験で脂肪吸収機能を評価した。総コレステロール、中性脂肪は糖尿病群では対照群と比べて有意に高値を示した。小腸全長は糖尿病群で各週齢において対照群の約1.2倍と有意に増加し、上部小腸の絨毛の高さは34週以降で有意に増加し、過形成性変化を示した。呼気試験で糖尿病群は他群に比し、呼気中Δ^<13>CO_2濃度が有意に増加し、糖尿病病態下における小腸からの脂肪吸収機能の亢進が確認された。 同様の方法で動脈硬化・高脂血症モデルであるアポE欠損マウス、対照である野生型(16、24、32週齢)を用いて動脈壁硬化進展過程における小腸絨毛の形態的変化と脂肪吸収機能を検討した。体重、総コレステロール、中性脂肪、動脈壁硬化進展度、小腸全体と絨毛上皮の高さを測定、^<13>C-trioctanoin呼気試験を行った。総コレステロール、中性脂肪はアポE欠損マウス群で有意に高値を示し、著名な動脈壁硬化進展がみられた。小腸絨毛の高さは24週齢以降でアポE欠損マウス群が有意に高値を示した。全週齢でアポE欠損マウス群において呼気中Δ^<13>CO_2濃度が有意に高値であった。アポE欠損マウスでは動脈壁硬化進展とともに高脂血症合併がみられ、その過程で小腸絨毛の過形成と脂肪吸収の亢進を認めた。 以上より、2型糖尿病、動脈硬化には高脂血症が合併し、基礎疾患の発症、進展とともに小腸絨毛の過形成と脂肪吸収亢進が認められた。小腸上皮過形成に伴う脂肪吸収過剰が糖尿病および動脈硬化に合併する高脂血症の病因の一つと推察された。
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Research Products
(2 results)