2004 Fiscal Year Annual Research Report
Coupling factor 6の心疾患における病態生理学的役割に関する研究
Project/Area Number |
15590714
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
長内 智宏 弘前大学, 医学部, 助教授 (00169278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 謙 弘前大学, 医学部, 教授 (20185549)
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Keywords | coupling factor 6 / prostacyclin / mitochondria / 心筋梗塞 / 心臓弁膜症 |
Research Abstract |
Coupling factor 6(CF6)過剰発現マウスの作成 CF6は通常ミトコンドリアにsortingされる。そこで血中CF6濃度が高値を呈するCF6過剰発現マウスを作製するために、直接mature formで産生され、直ちに細胞外に分泌されるように、ヒトカルシトニンのpromotorとmature CF6 cDNAを接続した発現ユニットを作製した。筑波大学生命科学動物資源センターに依頼し遺伝子導入マウス(ヘテロ)を3匹作製した。遺伝子導入を確認するために、ヒトCF6用のreal time PCRの系を確立し、ヘテロの2倍以上高値を呈するものをホモとした。3系統のうちを1系統でCF6過剰発現マウス(ホモ)(雌雄)が得られ、wildとの交配によりすべての子に導入遺伝子が存在し、ホモ作製に成功したことが確認された。CF6-TGマウスは生殖機能に異常は認められず繁殖は正常であった。25週齢までの観察では体重増加、心拍数にTGマウスとwildで明確な差は認められなかった。血圧はtail-cuff法により非観血的に測定した。10週齢では、CF6-TGマウスがwildに比較して収縮期血圧で10mmHg低値であり、25週齢までその差は認められた。 心嚢液中CF6の同定 虚血性心疾患並びに心臓弁膜症でACバイパスまたは弁置換施行患者から、当院第一外科との連携により術中に心嚢液を採取し凍結保存を行った。心嚢液中にCF6が存在するかを我々が開発したCF6のRIA法にて測定し、血中レベルの4-5倍高値で存在することを明らかにした。これまで我々は、CF6が主に血管内皮細胞で産生・放出され、ホルモンとして血管収縮を惹起させることを報告したが、今回の成績では、心臓が重要なCF6産生臓器であり、高濃度で分泌されたCF6が心臓局所で、autocrineまたはparacrine的に作用する可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)