2003 Fiscal Year Annual Research Report
心筋線維化分子機構の解明とテネイシンCを標的とした線維化予防法の開発
Project/Area Number |
15590735
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
吉田 恭子 (今中 恭子) 三重大学, 医学部, 講師 (00242967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 勝也 三重大学, 医学部, 助手 (40343222)
吉田 利通 三重大学, 医学部, 教授 (80166959)
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Keywords | 高血圧 / 心臓 / 線維化 / アンジオテンシン / 細胞外マトリックス / テネイシン / マウス |
Research Abstract |
心筋線維化病巣形成におけるテネイシンCの役割を解明するために、マウスモデルの生体内での機能解析と、培養心臓線維芽細胞用いた分子機能および機能ドメインの特定を試みた。 マウスモデルを用いた解析:BalB/c系のマウスにangiotensinIIを4週間持続投与すると、収縮期圧150mmHg程度の軽度高血圧を生じ、心筋組織の病理学的解析で、心筋内の血管周囲にマクロファージの浸潤、テネイシンCの沈着、膠原線維の増加がみられた。画像解析により定量評価すると、線維化率と血圧とは相関せず、angiotensinIIは血圧に依存せず、独立した線維化促進因子とて作用しうることが明らかになった。RT-PCRによる遺伝子発現解析では、Collagenlα1、α2、CollagenIIIα、CTGFの遺伝子発現レベルにも明らかな変化は認められなかった。次に、テネイシンCノックアウトマウスにangiotensinIIを投与し、同様のモデルを作成したが、現在までに明らかな差は認めていない。 培養細胞を用いた機能解析:テネイシンCノックアウトマウス心臓由来の線維芽細胞に精製TNCを作用させると増殖には影響が見られなかったが、細胞遊走、平滑筋アクチンの発現すなわち筋線維芽細胞への分化を促進した。次にこれらの機能ドメインを明らかにするため、フィブロネクチン(FN)III反復の選択的スプライシング部位を含む全長型、伺部位の欠損型、選択的スプライシング部位のみ、フィブリノゲン(Fbg)様ドメイン、上皮増殖因子様ドメインの5種類のリコンビナント蛋白を作成し、検討すると、一分化促進能はFNIIIスプライシング部位及びFbg様ドメインに、遊走促進作用はFNIII定常部位およびFbg様ドメインに存在することが示された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kyoko Imanaka-Yoshida: "Interaction between cell and extracellular matrix in heart disease : Multiple roles of tenascin-C in tissue remodeling"Histology and Histopathology. (印刷中).
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[Publications] Katusya Onishi: "Condesartan prevents myocardial fibrosis during the progression of congestive heart failure"Journal of Cardiovasc Pharmacol. (印刷中).
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[Publications] Kyoko Imanaka-Yoshida: "The dynamic expression of tenascin-C and tenascin-X during early heart development"Differentiation. 71. 291-298 (2003)
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[Publications] 今中-吉田 恭子: "炎症進展と終焉における細胞外マトリックスの役割"循環器科. 53. 294-300 (2003)
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[Publications] Takatusugu Tsunoda: "Involvement of large tenascin-C splice variants in breast cancer progression"American Journal of Pathology. 162. 1857-1867 (2003)