2003 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化疾患における血管内皮由来リパーゼ(EDL)の意義の解明と治療法の開発
Project/Area Number |
15590745
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
平田 健一 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (20283880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 光宏 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40135794)
井上 信孝 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10304099)
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Keywords | リポ蛋白 / 動脈硬化 / HDL / 血管内皮細胞 / マクロファージ / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
1.EDLのノックアウトマウスおよびトランスジェニックマウスの作成と解析 EDLノックアウトマウスおよびトランスジェニックマウスを作成し、普通食および高脂肪食を与え、これらの遺伝子改変マウスの血清脂質を解析した。EDLノックアウトマウスではHDLの血中濃度は上昇し、一方トランスジェニックマウスではHDLは低下した。また、EDLノックアウトマウスのHDLの組成を解析したところ、HDL粒子のサイズには大きな変化はなく、HDL粒子の数そのものが変化していると考えられた。また、HDL粒子中のリン脂質、コレステロール、アポ蛋白質の比率にも大きな変化はなかった。これらの結果から、マウスにおいてEDLはHDL代謝に重要な役割を果たしていると考えられた。 2.EDLの動脈硬化にはたす役割 次にEDLが動脈硬化の発症進展にどのように働いているかについて検討した。EDLノックアウトマウスと動脈硬化のモデル動物であるapoEノックアウトマウスを交配し、普通食または高脂肪食で飼育し、その動脈硬化病変を解析したところダブルノックアウトマウスでは動脈硬化病巣は約50%抑制された。また、動脈硬化病巣に存在するマクロファージの数も減少していた。すなわち、EDLはマウスにおいて動脈硬化を促進させることが明らかとなった。 以上の結果より、EDLはHDLをはじめとするリポ蛋白代謝や血管局所でのリポ蛋白の取込みに関与し、動脈硬化をはじめとする血管病変の形成に重要な役割を果たしていると考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Namiki M: "Intramuscular gene transfer of interleukin-10 cDNA reduces atherosclerosis in apolipoprotein E-knockout mice"Atherosclerosis. 172・1. 21-29 (2004)
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[Publications] Ishida T: "Molecular cloning of nonsecreted endothelial cell-derived lipase isoforms"Genomics. 83・1. 24-33 (2004)
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[Publications] Ishida T: "Targeted disruption of endothelial cell-selective adhesion molecule inhibits angiogenic processes in vitro and in vivo"J Biol Chem. 278・36. 34598-34604 (2003)
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[Publications] Ejiri J: "Oxidative stress in the pathogenesis of thoracic aortic aneurysm : protective role of statin and angiotensin II type 1 receptor blocker"Cardiovasc Res. 59・4. 988-996 (2003)
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[Publications] Azumi H: "Immunohistochemical localization of endothelial cell-derived lipase in human atherosclerotic coronary arteries"Cardiovasc Res. 58・3. 647-654 (2003)
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[Publications] Ishida T: "Endothelial lipase is a major determinant of HDL level"J Clin Invest. 111.3. 347-355 (2003)