2004 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化疾患における血管内皮由来リパーゼ(EDL)の意義の解明と治療法の開発
Project/Area Number |
15590745
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
平田 健一 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (20283880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 信孝 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10304099)
横山 光宏 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40135794)
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Keywords | リポ蛋白 / 動脈硬化 / 炎症 / 血管内皮細胞 / マクロファージ / 高血圧 / 血管平滑筋 |
Research Abstract |
1.EDLの炎症の制御に関する検討 EDLノックアウトマウス、トランスジェニックマウスに対してLPSを腹腔内に投与し、EDLの発現、脂質の変化について検討した。野生型マウスではLPS投与によって全身の炎症が生じ、EDLの発現が亢進した。この際に、血液中のHDL濃度が低下した。一方、EDLノックアウトマウスでは、全身の炎症は軽度であり、HDL濃度にも変化が認められなかった。これらの結果から、EDLはHDL代謝を介して炎症の制御を行っていると考えられた。 2.EDLの接着分子としての役割 次にEDLが動脈硬化の発症進展に重要であるマクロファージに対する接着分子として働いているかどうかについて検討した。COS細胞にEDLを強制発現させるとマクロファージに対する接着が亢進し、この作用はヘパランサルフェートプロテオグリカンを介した作用であると考えられた。すなわち、EDLはマクロファージの接着を介して動脈硬化を促進させると考えられた。 3.高血圧モデルラットにおけるEDLの発現 SHRやアンジオテンシン持続投与による高血圧モデルラットの血管や臓器においてEDLの発現は亢進していた。したがって、上記のようなメカニズムを介して高血圧における血管病変の成因に関与していると考えられた。 以上の結果より、EDLはHDLをはじめとするリポ蛋白代謝や血管局所での炎症の制御を介して動脈硬化をはじめとする血管病変の形成に重要な役割を果たしていると考えられた。
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Research Products
(6 results)